
6 世界に目を向ける 森順子
09/05 19:34
ぜひ、新聞やテレビなどで、今起きていることを知ってほしい。日本や世界の情勢が、皆さんがこれから勤める企業や組織にも関わってくることがあるからだ。
私は学生時代、先輩のアドバイスをもとに、気になるニュースをまとめたり、新聞の記事をノートに貼ったりしていた。面接で「最近気になるニュースは何ですか」と聞かれたことも多い。ニュースは何でも構わないが、なぜそれが気になったのか理由をしっかり伝えることが大切だ。それが自己表現にもつながってくる。
例えば「少子高齢化」に関わる仕事を希望する人だったら、日本の高齢化率などだけではなく、先進国で少子高齢化対策に一定の結果が出ているフランスなどの国を知ることが参考になる。また、世界平和のために仕事をしたい人であれば、内戦がどこで起きているのかを調べることで、その背景にある宗教がどう影響しているのかなど、さまざまな視点で見えてくることも多く、仕事につながる背景も増えていく。
以前、「オーストラリアで干ばつがあった。このニュースを気にするのはどんな人たちか」というクイズがあった。気象関係者や政府関係者ではないのかと思ったところ、正解は「うどん屋」だった。なぜなら、うどんの原料である小麦粉を、日本はオーストラリアから約18%輸入している。そのため、干ばつになると生産量が減る、つまり価格が高騰するというわけだ。そうすると、しばらくアメリカから輸入するのかなど、次の対策が取れる。一見すると関係なさそうなことも、どこかでつながっているのだ。
自分には関係ないと思わず、小さなことにも耳を傾けてほしい。きっとあなたの将来の何かのヒントになるはずだ。