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巨大IT規制 個人情報保護は急務だ

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 公正取引委員会は、プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業などの規制指針案をまとめた。

 強い立場で個人情報を不当に吸い上げ広告などの事業に用いることを、独占禁止法が禁じる「優越的地位の乱用」とみなし、排除措置命令や課徴金の対象にする。

 巨大ITを巡っては、法人取引を中心に監視を強めてきたが、それだけでは不十分だった。

 監視対象を個人との関係に広げ、規制強化と消費者保護を図る公取委の方針は妥当と言える。

 ネット検索などの利用者である個人も、巨大ITの取引先とみなしうる。情報を渡しサービスを受けるという関係にあるからだ。

 立場の弱い消費者が不利益を被ることのないよう、実効性のある規制にすることが急がれる。

 規制対象となるのは、米国のグーグルやアマゾンなどGAFA(ガーファ)と呼ばれる巨大ITのほか、楽天やヤフーなどの国内勢だ。

 これらの企業は、ネット検索や通販などのサービスを提供する見返りに集めた利用者の属性、購買履歴、位置情報といった膨大な個人情報を事業に活用している。

 ネットサービスは生活に浸透し、乗り換え先が容易に見つからないことが多い。情報の使われ方に不安があっても、サービスを利用せざるを得ない場合もある。

 新指針はこうした点を踏まえ、巨大ITは利用者より優越的な地位にあるとする。その上で、目的を知らせぬまま情報を利用したり、同意なく第三者に提供したりする行為に歯止めをかける。

 最近では、就職情報サイト「リクナビ」の運営会社が学生の情報を企業に売っていた。こうした行為も独禁法違反に問われよう。

 個人情報は今や高い経済的価値を持つ。だからといって、それをぞんざいに扱い、利益を上げることばかり狙うことは許されない。

 企業は個人情報保護を社会の要請と心得るべきだ。サービスの利用規約を消費者に極力分かりやすいものとし、データを慎重に扱う必要がある。

 巨大ITのサービスは多種多様であり、どんな場合が違法なのか分かりにくい面もある。

 また、個人情報が金銭と同じ価値を持つとしても、それに見合う課徴金はいくらなのかなど、詰めるべき点は少なくあるまい。

 公取委は議論を重ね、具体的であいまいさを排した指針をつくるべきだ。個人情報保護法など関連法とあわせ、手厚く漏れのない規制をめざす必要もあるだろう。

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