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加納エミリに注目 作詞・作曲・振り付け 完全セルフプロデュース/札幌出身のNEO・エレポップ・ガール

 「NEO(ネオ)・エレポップ・ガール」をキャッチフレーズに、作詞、作曲、編曲、振り付けなどすべてを1人でこなす完全セルフ・プロデュースのアイドル、加納エミリ(札幌出身)が注目されている。1995年生まれながら、ニューウェーブ、エレポップ、ディスコサウンドなど生まれる前の80年代の音楽を曲に取り入れ、ユニークな振り付けで歌う。2018年5月にインディーズでソロ活動を始め、今秋には全国流通のアルバムを出す。「日本武道館でライブがしたい」という大きな目標を掲げ、新しいアイドルの形を探る。(恵本俊文)

■大手で芽が出ず

 子どものころはカラオケ好きで、ケツメイシや大塚愛などをよく歌った。中学では洋楽を聴くように。「米国のヒットチャートが好きでした」。高校ではネット動画などでダフト・パンクやケミカル・ブラザーズなどを知り、ニューウェーブに行き着く。「ピンときた。聴いてて一番気分が良くなるのがニューウェーブだった」。高校卒業後、東京の音楽学校へ進み、20、21歳の時には大手レコード会社に所属し、「君は1人じゃ厳しい」と2人組ユニットを組まされたがうまくいかず解散、ソロ活動を始めた。

 動画サイトに自作曲をアップすると、曲の良さやユニークな振り付けが評判を呼び、徐々にファンが増え活動は軌道に乗った。「自分の立てたプランで活動できるのが楽しい」と、セルフプロデュースを楽しむ。これまで「EP1」「フライデーナイト」「1988」とシングルCDを3枚、「ごめんね」と夏限定3人組ユニット「江ノ島爆走ギャルズ」として「スルメボーイ」を7インチレコードで出した。多くの音楽を教えてくれたネットでも、自分の音楽を発信する。「投稿するとユーザーが増えるのを肌で感じました」

 中でも「フライデーナイト」はディスコ寄りのロックで「自信作です。ライブで歌っているうち、だんだんよくなっていく感じがします」と力を込める。加納にとって「アイドル」は音楽をやるための一つの方法にすぎない。「アイドル性を残しつつ、その割合を減らしていけたら」と考える。と同時に「ゆくゆくはメジャーでと心に決めていますが、そのタイミングはとても大事。知名度を上げて、沸点に達したところでメジャーデビューしたい」。それまではインディーズで頑張る覚悟だ。

 作曲、編曲が好きで、作詞は苦手。「楽器はピアノ、ギター、ベース、ドラムなどをやってみたんですけど弾けません」。作曲や編曲はすべてパソコンだ。「手っ取り早くて自分に向いてる。やりたい音楽にもフィットしている気がします」。振り付けは「インド映画で途中で歌い出すシーンの特に変な振りをまねてみたり、中国のラジオ体操のような国民的なダンスをユーチューブで見て、いい意味で『キモいなあ』と思いながら参考にしたり」。ほかのアイドルの振りと全く異なるのは「そこを狙ってるんです」と笑う。

■LP、カセットも

 今後については「9月から東京で3カ月連続ツーマンライブ。10月にはバンド編成で、来日アーティストの公演のオープニングアクト。12月には東京でワンマンライブがあります。早く札幌でライブがしたい。ラジオにも出てみたい」と語る。作品の出し方にもこだわりがあり「11月に出すアルバムは、全国流通のCDに加えLP、カセットでも出し、配信もします」と、80年代全開。来年はツアーも検討中で、フェス出演も視野に入れる。「ライジングはもちろん、フジロックとか夢ですね」

<ことば>ニューウェーブ パンク・ムーブメントによりロック音楽を取り巻く状況が激変した英国で、パンク以降のポストパンク、ディスコ、現代音楽や電子音楽などの影響で成立した。1970年代後半から80年代前半という特定の時期のロックや、その周辺のジャンルに限定して適用される音楽用語。主なミュージシャン、バンドはバグルス、ニュー・オーダー、デペッシュ・モード、XTC、ニック・ロウなど。

■独特のユーモア 大瀧詠一ほうふつ なりすレコード・平澤さんに聞く

 加納エミリの音楽にほれ込みアナログ盤を制作する「なりすレコード」(東京)の平澤直孝さん(48)に、加納の魅力を聞いた。


 彼女が自作した「ごめんね」の映像を見て驚きました。まるで、(ニューウェーブバンドの)ニュー・オーダー。全部自分で作ってる? これは何なんだろう、と。音源をアナログで出せば、和モノDJの話題になるだろうという確信がありました。打ち込みを始めて3、4年とは思えないほど、スキルというより、天性のセンスがあると思う。

 日本のポップミュージックは(いい意味で)パクリの繰り返し。大瀧詠一や加藤和彦、ムーンライダーズなどが、そういうことをずっとやって積み重ねてきた。彼女は彼らを知らないと思うが、志というか、やってることは同じ。それに加えて独特のユーモア。ユーモアのセンスは大瀧さんとベクトルが同じ気がしています。

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