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「森友」捜査終結 国会に真相究明の責務

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 学校法人森友学園を巡る財務省の国有地売却交渉や決裁文書改ざんに関する大阪地検特捜部の捜査は、告発された関係者10人を再び不起訴とし、終結した。

 有印公文書変造・同行使の容疑などで告発された佐川宣寿(のぶひさ)元国税庁長官らが不起訴となったことに対し、大阪第1検察審査会が3月に「不起訴不当」と議決したが、再捜査で結論は変わらなかった。

 8億円もの国有地の値引きがなぜ行われ、官僚が国会を欺く前代未聞の決裁文書改ざんになぜ手を染めたのか。司法の場での真相究明は期待できなくなった。

 だが行政の公正性や透明性をゆがめ、議会制民主主義の根幹を危うくした問題を、このままうやむやに終わらせてはならない。

 国会は佐川氏らを呼び、事実を解明する責務がある。

 検察審査会は「一般市民感覚からすると、いかなる理由があっても許されず、言語道断の行為」だと改ざんを厳しく批判していた。

 法的責任を問われなくても、市民感覚に根差した疑問は残る。

 思い起こすべきは、安倍晋三首相夫人の昭恵氏と学園の関係を示す複数の記述が、改ざんによって削除されたことだ。

 改ざんの契機が、「私や妻が関係していたなら首相も議員も辞める」と述べた2017年2月の首相の国会答弁だったことは財務省の調査報告書も認定している。

 佐川氏は昨年の証人喚問で、学園との交渉に昭恵氏の指示や影響は「一切なかった」と述べた。

 ならば、なぜ削除したのか。この肝心の点については「訴追の恐れ」を理由に証言を拒否した。

 これでは、値引きの背後に首相夫人と学園の関係に対する官僚の忖度(そんたく)があり、だからこそ改ざんによって「不都合な事実」を消そうとしたのではないかとの疑念を拭い去ることはできない。

 佐川氏は訴追の恐れはなくなったのだから、真実を語るのに支障はあるまい。衆参の予算委員会は直ちに再喚問を実施すべきだ。

 安倍首相は参院選の党首討論会で森友・加計問題に関し「私も妻も直接関わった証拠はなかった」と述べている。

 しかし昭恵氏はこの件で一度も国民の前に出て説明していない。国有地の賃料優遇措置について財務省に照会した、元昭恵氏付政府職員の谷査恵子氏もそうだ。

 当事者が口を開かずして、なぜ「証拠なし」と断定できるのか。昭恵氏の喚問と、谷氏ら他の関係者の国会招致も不可欠である。

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