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最低賃金増も861円じゃ変わらない 氷河期世代、非正規を転々

 道内の最低賃金(時給)が過去最大の上げ幅となる861円で決着した。ただ週5日、1日8時間働いても、年収200万円に満たない「ワーキングプア」の状態は変わらない。政府は最低賃金の引き上げとともに、就職氷河期世代の雇用促進など支援策を掲げるが、非正規職を転々としてきた同世代からは「これでは貧困を抜け出せない」と悲鳴が上がる。

 「ずっと、社会に放置されている気がしてならない」。札幌市西区の女性(40)は、ネット広告会社の契約社員としてフルタイムで働き、月収は約14万円。専門学校を卒業後、20年近く最低賃金水準での生活が続く。高齢の両親、精神疾患のある弟のために毎月4万円を貯金し、残りは食費や持病の通院費などで底をつく。

 女性は、バブル崩壊後の就職難に直面した就職氷河期世代だ。派遣労働など非正規雇用が広がり、就職活動では正社員の働き口が見つからず、手芸店のアルバイトなどで食いつないだ。友人と外食すれば、帰りのバス代200円すら残らず、自分だけ徒歩で帰った。

 厳しい労働環境にさらされた人々を取り上げた新聞記事を見つけると、人ごとと思えず保存してきた。2008年末から09年の年始にかけて、「派遣切り」で職を失った500人が東京・日比谷公園の炊き出しに集まった「年越し派遣村」の記事を切り抜いた時は、「『明日はわが身』と恐怖を感じたが、報道で社会が変わると信じた」。だが当時の恐怖は今も変わらず、最低賃金は10年間で194円増えただけ。「底辺の生活から抜け出せない」とうつむく。

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