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<訪問>「ドラ猫進化論」を書いた 沼田朗(ぬまた・ほがら)さん

習性の変化 見つめ続ける

 「ドラ猫」と聞けば、人気アニメ「サザエさん」の主題歌に出てくる「魚をくわえて逃げ去る姿」を思い浮かべる人もいるのでは。では「ドラ猫」と「野良猫」の違いは? そんな素朴な疑問を起点に猫と人類の歴史をひもとき、「ここ20年前後で大きく変化した」という街中の猫の行動を考察した。

 還暦を迎えた作家の著者が今も住む東京都板橋区の自宅では、動物好きだった亡き祖母が多くの犬猫の面倒を見てきた。そのため自然と猫の習性に詳しくなった。父で作家の沼田陽一さん(故人)が犬の関連本を出版していた縁から、著者も30年前から猫の雑学本を書き、専門誌での執筆や猫まんがの原作も担当。長年、街中の猫を観察するのが日課となってきた。

 最初に驚いたのはバブル崩壊後の1990年代半ば。街で見かける猫の毛並みに銀色やオレンジ色、見かけぬ柄が混じるようになり、海外からの血が流入しているのを実感した。さらにびっくりしたのが2000年代に入ってから。猫は高い場所や物陰に潜むのが当たり前だったのに「道の真ん中で平気で寝転がるようなのが突然出てきた」。思い当たったのは一軒家や集合住宅の形状が変わり「猫の高速道路」ともいえるブロック塀が激減したこと。安息の地だった月決め駐車場が時間貸しへと形態を変えたことも一因と気付いた。「本来、猫は気持ちいい場所にこだわる動物。それが大勢の人の前でも平気な『新世代のドラ猫』が同時に出てきたのが面白いと思った」と明かす。

 本書がほかの「猫本」と異なるのはネズミや犬など他の動物についても詳しく語られていること。その狙いを「そういうことも一緒に考えなければ、猫と人間の関係について分からないことも多い」と語る。

 ドラ猫について辞書の大半では「ずるがしこく悪い猫」という意味合いで書かれているが、全ての猫にドラ猫の本質が隠れているという。「室内飼いの人もそういう目線で猫を観察してみたら、一層楽しめるはずです」

東京報道 大原智也

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