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三浦文学館が新たな挑戦 22年に生誕100年 若者や外国人客に発信

 旭川市出身の作家三浦綾子さんの功績を伝える「三浦綾子記念文学館」(旭川市神楽7の8)が、2022年の三浦さん生誕100年に向けて記念事業を次々と打ち出している。1999年に三浦さんが亡くなって20年。三浦文学を知らない若い世代が増える中、オリジナルキャラクター「レイ」が館内を案内する4カ国語対応のアプリを開発するなど、若者や外国人観光客の取り込みを狙う。

 三浦さんの代表作「氷点」の舞台となった外国樹種見本林の一角にある文学館に3日、オープンした野外喫茶店。鳥の鳴き声や木々の葉が擦れる音が心地よく響く。三浦文学案内人を務める市内の三浦隆一さん(67)はコーヒーを手に「三浦さんの小説の息吹を感じる」と満足げだ。

 木製デッキ約100平方メートルのテラスにテーブル4卓(16席)とベンチ4台を設置。文学館の難波真実(まさちか)事務局長は「見本林を眺め、ゆっくりと過ごす時間は来館者の心に残るはず。インスタ映えスポットとしても認知されたら、うれしい」と期待を寄せる。

 98年に開館した文学館は、入館料やファンらの寄付金などを基とした「民設民営」だ。初年度の入館者は6万6千人に上ったが、最近は1万5千人前後で推移。開館20周年の節目を迎えた昨年は、自宅書斎を移設した分館がオープンし、約1万7500人に増えたものの、難波事務局長は「来館者の多くはシニア層。30年先の存続を考えると、三浦文学にまだ触れていない層への発信が必要だ」と危機感をのぞかせる。

 田中綾館長(北海学園大教授)が昨年11月、自らの講義を受ける大学生142人に行ったアンケートの結果は関係者に衝撃を与えた。三浦さんの名前を「初めて聞いた」と答えた学生が45%も占め、作品を読んだことのある学生は7%にとどまった。田中館長は「こんなに知らない人がいるとは、とショックを受けた」。

 こうしたデータを踏まえ、文学館は若者と、旭川市内でも急増している外国人観光客を新たなターゲットに絞った。

 今年6月に発表したオリジナルキャラクターは、外国人が発音しやすい「レイ」と名付けた。若者にも親しみやすいよう、旭川出身で学芸員を目指す札幌の女子大生という設定で、今月5日に配信したアプリ「三浦綾子AR」では案内役として活躍する。ダウンロードしたスマートフォンやタブレット端末を、文学館の展示室にある写真にかざすと、レイが日本語、英語、韓国語、中国語の4カ国語で解説する。

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