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「改元」御朱印ブーム 北海道神宮、初日5千人 SNSで若者に広がる 高値で転売、トラブルも

 神社や寺で参拝した証しとしてもらえる「御朱印(ごしゅいん)」。令和への改元を機にブームが過熱している。インターネット上で高額転売され、東京ではもらい損ねた参拝者が神社の職員に暴言を浴びせるなどのトラブルも起きている。道内はどうか―。御朱印帳を手に探った。

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 5月17~19日。北海道神宮(札幌市中央区)の境内は若い女性でにぎわった。多くが札幌ドームで開かれた人気アイドルグループ「嵐」のコンサート客。数年前からおなじみの光景だが、新元号の御朱印がもらえる今年は輪をかけて多い。

 近年、御朱印集めは「インスタ映え」すると、会員制交流サイト(SNS)を通じて若い世代に広がり、「御朱印ガール」という言葉も登場。「嵐ファンと世代が重なるかもしれませんね」。同神宮で神職の権禰宜(ごんねぎ)を務める今井建(たつる)さん(58)は年齢層の広がりを実感する。改元初日の先月1日は神職総出で5千人分近い御朱印を押した。「前日から準備しましたが、これほど集まるとは」

 御朱印は寺社を参拝した後、300~500円程度の初穂(はつほ)料などのお礼を納めると、和紙をとじた御朱印帳に寺社名や日付を墨書し、押印してもらえる。愛好者の多くはSNSで情報などを共有。スタンプラリーの感覚で集める人も多い。「令和初日」には記念御朱印を目当てに全国の著名な寺社に大行列ができた。

 ネットのオークションサイトでは売買もされている。伊勢神宮(三重県伊勢市)や明治神宮(東京)の御朱印は高値で取引され、27万3千円で落札された例も。北海道神宮の令和初日の分も2千円近い値が付いたという。

 浅草神社(東京)では連休中、数量限定の御朱印を入手できなかった参拝者らが神社職員に罵声を浴びせるトラブルもあった。神社側はフェイスブックで「本来の意義を、いま一度ご理解いただきたい」と訴えた。

 事情に詳しい古今御朱印研究室(東京)の村上哲基(てつき)さん(52)は「御朱印は参拝の証し。他人から買っても意味がない」と転売行為に首をかしげる。

 道内では大きなトラブルもなく、多くの寺社はブームに好意的だ。舎利山仏願寺(しゃりざんふつがんじ)(札幌市南区)では連休中、改元を記念し、金墨で記した御朱印を配った。山崎法隆(ほうりゅう)副住職(45)は「御朱印がきっかけだとしても仏様とのご縁ですから」と笑顔を見せた。

 5月18日。札幌市中央区のコワーキングカフェ「サルーン」で、女性9人と男性3人が御朱印帳を手に語り合っていた。1月から月に1回程度行われている30~50代の愛好家が集うお茶会だ。

 初回から参加する札幌市北区の社会保険労務士郷家竜(ごうかりゅう)さん(48)は「実際に足を運んで集める本来の楽しさを知ってほしい」と願う。

 連休明け、北海道神宮を愛知県常滑(とこなめ)市から日帰りで訪れた内田史朗さん(49)は「体調を崩した十数年前から集めるようになりました。眺めていると心が落ち着きます」。

 せわしい日常を少し離れて癒やされたい―。多くの愛好家たちは純粋な気持ちで御朱印を求めている。(柳沢郷介、内山岳志)

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