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チキン・ラン

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映画「理由なき反抗」で、ジェームズ・ディーン演じるジムと不良グループのリーダーが「チキン・ラン」と称する度胸試しをやる。互いに車を崖に向けて猛スピードで走らせ、先に車から逃げ出した方が負けとなる。映画ではリーダーが逃げ損ねて、崖下に転落する▼昨年から続く米国と中国による高関税の掛け合いも、チキン・ランに例える向きが多い。両国ともリスクは避けたいが、弱気の姿勢を見せられないとしてやめられないからだ▼トランプ米大統領は来年の大統領選に向け、何としても対中貿易赤字削減を支持獲得につなげたい。相次ぐ制裁関税もそのためだが、中国からの輸入品の値上がりは消費者を直撃し、輸出に頼る有力支持層の農家を苦しませる。20日にはナイキなど靴メーカー大手が、追加関税は経済などに「破壊的影響」を与えると抗議する書簡を出した▼中国も、制裁関税による経済の減速は著しい。だが「産業補助金の全廃」など米側の要求をのめば弱腰と批判され、習近平政権の運営に響きかねない。結局、報復に走らざるを得ない。双方ダメージを知りつつも、レースから降りられない▼国際通貨基金は、報復合戦が続けば世界経済に深刻な影響を与えると分析する。チキン・ランの末、米中だけでなく、世界中が崖の下に転落しかねないのである▼最悪の事態を避けるためにも、両首脳の歩み寄りを望むばかり。2019・5・23

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