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<新刊と文庫>「手記 札幌に俊カフェができました」など

<単行本>


◆手記 札幌に俊カフェができました 古川奈央著

 詩人・谷川俊太郎に魅了されたフリーライターの著者が札幌に「俊カフェ」(中央区南3西7)を開業するまでの道のりをつづる。一ファンの熱意に応え、協力を惜しまない詩人の人間性に心打たれる。店づくりから資金調達、開業後の運営まで、カフェの指南書としても読める一冊。(ポエムピース 1512円)


◆フードスタディーズ・ガイドブック 安井大輔編
 社会科学、人文科学の視点から研究された、食に関する優れた文献を紹介するブックガイド。料理番組についての研究やラーメンの歴史など、文献としてだけではなく読み物としても楽しい書籍も数多く紹介されている。多様で面白い観点からの食に関する研究に驚かされる。(ナカニシヤ出版 2808円)

◆数学の贈り物 森田真生著
 大学の研究室などに属さない在野の数学研究者が、自由な思考をみずみずしい言葉でつづったエッセー集。著者は、数学を軸にしながらも、人間とは何か、人生とは何かなどの探求を続けている。道元禅師の著書や古代ギリシャの数学の古典など、思想や数学が日々の暮らしと無縁でないことが自然に伝わってくる。(ミシマ社 1728円)

◆アネサラ シネウプソロ 語り・遠山サキ 聞き書き・弓野恵子

 昨年12月、90歳で亡くなったアイヌ女性の自伝。差別に直面した幼い日や、子育てが終わり民族文化の復権に目覚めた日々など、大地とともに生きた道のりが力強い言葉で語られる。アイヌ文化アドバイサーとして活動する長女が聞き書きしてまとめた。(地湧社 1944円)


◆釜石の風 照井翠著

 岩手県釜石市で東日本大震災に遭った高校教諭で俳人のエッセー集。震災直後から今までの経験をつづった俳誌や新聞の連載をまとめた。津波にのまれた友人を助けられずに悔やむ男子生徒、一度は津波に流されながら電柱にしがみつき、生き延びた泥まみれの女子生徒―。俳句とともに紹介される出来事すべてが胸に響く。(コールサック社 1620円)


<文庫・新書>


◆読まずにすませる読書術 鎌田浩毅著
 読書についての著書もある京大教授の火山学者が、より良い読書術を伝授する。読まなくていい本を選び、読むべき本だけを読む。一冊全部ではなく、必要部分だけ読む。今読まない本は後になっても読まないので、ためない。読むために読まないことに留意しようという視点がユニークだ。(SB新書 864円)

◆漫画超進化論 石ノ森章太郎著

 1988年に行われた小池一夫、藤子不二雄Ⓐ、さいとう・たかを、手塚治虫との対談集。彼らは映画に影響を受け、キャラクターよりドラマ性を追究した。時代とともに移ろう漫画の姿が浮かび上がるとともに、漫画というメディアの可能性が伝わる。現在のネット時代を予感させるやりとりも興味深い。(河出文庫 799円)


◆移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線 出井康博著
 アジアの貧しい国々からの留学生が低賃金・重労働の現場で働く実態を追ったルポ。急増する留学生の大半は出稼ぎ目的で、日本語学校の学費やブローカーへの手数料で多額の借金を背負っている。外国人労働者の中でも最底辺に位置する「偽装留学生」の存在が、徹底した現場取材で暴かれる。(角川新書 994円)

◆災害と生きる日本人 中西進、磯田道史著
 地震や津波、台風など自然災害に襲われ続けてきた日本人の精神を、万葉集研究の大家と歴史学者が探った対談本。「万葉集」に詠み込まれた人間観や寺田寅彦の「減災」思考など、災害列島・日本の進むべき道を学ぶ。(潮新書 880円)

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