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ヒグマ対策 事故招かぬ知識持とう

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 今春も全道各地でヒグマの目撃情報が相次いでいる。

 先月は札幌市清田区や北広島市の市街を歩く姿が確認された。

 若い雄が強い雄のいない場所を探して人里のそばに現れたり、雌が市街地周辺の山林で繁殖するといったケースもあるという。

 肝心なのは、不幸な事故を起こさぬよう、ヒグマとの遭遇を避け、共生を図ることだ。

 自治体など関係機関は、目撃情報の提供や、正しい知識の普及啓発に取り組んでもらいたい。

 道によると、2018年度までの30年間に計41人がヒグマによる人身被害に遭い、そのうち15人が亡くなっている。

 被害が最も多いのが、春の山菜採りと秋のキノコ採りで全体の68%を占める。山菜はヒグマの好物でもあり、その餌場に入っているとの意識を持つ必要がある。

 1人で山に入らず、鈴や笛などで自分の存在を知らせ、遭遇しても走って逃げないといった基礎知識を頭に入れてほしい。ふんや足跡などを見つけたら、必ず引き返さなければいけない。

 ヒグマは学習能力が高く、残飯などの味を覚えてしまう。登山やキャンプでは、ごみを持ち帰らないと、後から来た人を危険に陥れることを肝に銘じたい。

 市街地への出没をさせない工夫も求められる。

 ごみステーションを頑丈にし、ごみ出しのルールを守る。山野と市街地をつなぐ林の下草を刈り取って、隠れ場所をなくすことも効果があるという。

 知床国立公園では、観光客のマナーが問題となっている。

 沿道に車を止め、ヒグマに近づいて写真を撮ったり、餌をやる人が後を絶たない。そのため、「クマ渋滞」も起きている。

 人に慣れたヒグマが、人から食べ物を奪おうと、車に近づいたり、家屋の中に侵入しようとする懸念もある。これでは重大な事故につながりかねない。

 昨年3~12月のオホーツク管内斜里町でのヒグマが目撃された件数は、1618件で過去2番目に多かった。人慣れしたヒグマと観光客が遭遇したことも増加の一因とされる。

 知床世界自然遺産地域科学委員会のワーキンググループは、ヒグマと人や車の接近を避けるガイドラインの策定を検討している。

 知床の豊かな自然が守られ、人とヒグマがより良い関係を築けるよう、実効性のある対策へと練り上げてほしい。

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