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札幌圏で大きく稼ぐ狙い JR値上げ申請 地下鉄と同水準に

 JR北海道が10日、国土交通省に認可申請した運賃改定は、主に20キロ以下の近距離で大幅に引き上げ、札幌圏で大きく稼ぐことを狙ったものだ。各区間の運賃設定からは、JRよりも高い札幌市営地下鉄を意識したことが透けて見える。ただ、値上げ幅は一部区間で3割を超え、暮らしには重い負担。JRは値上げにより年40億円の増収を目指すが、想定以上に鉄路離れが加速する可能性もある。

 JRの2017年度の線区別収支によると、鉄道事業による営業収益836億円のうち、札幌圏だけで約半分の420億円を占め、運賃収入を大幅に増やすには、札幌圏でいかに稼ぐかが課題。そこでJRは、100キロ以下について、走行距離に比例する従来の方式ではなく、自由に距離を区切って細かく定められる「対キロ区間制運賃」に踏み切り、利用の多い7~15キロ区間の値上げ率を3割超とした。

 運賃設定にあたりJRが特に着目したのはJRより高い地下鉄だ。札幌市内の普通運賃は、多くの区間で地下鉄並みか若干上回る額に引き上げた。一方で定期は割引率を据え置くことで、地下鉄よりも安い状態は維持した。同日記者会見した綿貫泰之常務も「近距離は上げ幅が大きいが、地下鉄をにらみ、ほぼ同額な形まで引き上げた」と説明した。

 だが、JR他社に比べると割高感は否めない。JR東日本の現行の普通運賃(幹線)は1~3キロ区間が140円に対し、北海道は値上げで200円、11~15キロでは東日本240円、北海道は340円。十数キロの移動だけで100円の差が出てしまう。

 綿貫氏は会見で「運賃値上げで、ある程度、利用客が逃げることも考慮している」とし、客離れにより26億円の減収を予測していると説明した。目標の40億円の増収には、利用客減の影響を受けながら、運賃値上げ分で単純計算で66億円を取り戻す必要がある。

 そもそもJR北海道が値上げに踏み切ったのは、地方路線を中心に不採算路線を抱える赤字経営がある。日常的に地方路線を利用しない札幌圏の住民が割高な運賃を支払うことに一定の抵抗感を持たれかねない。

 JRは増収分を、快速エアポート増発に伴う信号設備等の改修や老朽化した車両更新などに充てるとし、サービス向上で客離れを食い止めたい考えだ。だが、思うような増収ができなければ、経営難に追い打ちが掛かることになる。(徳永仁、横田紗菜)

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