PR
PR

「マルチュウさん」30日閉店 えりも岬地区唯一のスーパー愛され85年 高齢、後継不在で決断 「恩返し」25日からセール

 【えりも】町えりも岬地区で唯一のスーパーマーケット「マルチュウ鈴木商店」が30日で閉店し、85年の歴史に幕を下ろす。地域住民のニーズに合わせた品ぞろえの良さが売りで、住民からは「えりものよろず屋」と慕われた。自身の高齢や後継者の不在を理由に、引退を決めた店主の鈴木隆人(たかと)さん(70)は「長く続けられたのは、多くの方々の信頼があったから」と感謝。恩返しの意味を込め、25日からは商品が最大8割引きとなる閉店セールを行う。

 町中心部から13キロ離れたえりも岬地区の3月末現在の人口は526人。住民の多くがコンブ漁や秋サケ漁などの漁業に従事し、近くには観光名所の襟裳岬もある。鈴木商店は、栃木県から入植した鈴木さんの祖父・忠平さんが1934年(昭和9年)に同地区で創業。店舗面積は約210平方メートルと決して広くないが、青果や鮮魚、日配品、酒類、本、日用品など幅広く取り扱う。

 貫いた経営理念は「大手スーパーにできないことをやる」(鈴木さん)。多世代同居の家が多く、夏には大人数でコンブ干しをする土地柄から、アイスクリームは箱売りが中心だ。本は週刊誌や漫画、ファッション誌など約250種類が並び、アルコール類も大手スーパーにない銘柄が多くそろう。同地区に住む男性(62)は「葬儀などで急に飲み物や食材が必要になった時も、マルチュウさんなら大体そろった。なくなるのはさみしい」と惜しむ。町中心部から買い物に来る人も珍しくなく、年商は約30年前のピーク時で1億4千万円を記録した。

残り:301文字/全文:941文字
全文はログインまたはお申し込みするとお読みいただけます。
どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
PR
ページの先頭へ戻る