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G20財務相会議 国際協調空洞化は困る

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 米ワシントンで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が閉幕した。

 世界経済が減速しているとの認識は共有したものの、それをどう結束して下支えするか、具体的な議論を深めた形跡はない。

 会議では、経済が今年の後半から回復に向かうとの楽観的な見通しで一致したという。

 だが、この見通しは米中貿易摩擦の激化や、英国の欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」の可能性を十分考慮していない。

 現実味に乏しい展望に基づき、暗雲が世界経済を覆う現状から目を背けていては、危機意識を欠くと言われても仕方あるまい。

 米国を震源として広がる保護主義を前に、G20の国際協調が空洞化しつつあるように見える。

 「政策を総動員する」との決まり文句を繰り返すだけでは存在意義に疑問符が付こう。

 6月に大阪で開かれる首脳会合に向け、各国にはリスクを直視した議論と行動を求めたい。とりわけ議長国・日本の責任は重い。

 米中摩擦では、高関税の応酬により両国の経済が打撃を受けるだけでなく、複雑に結びつく世界各国の経済も傷ついている。

 なのに会議では米国に協調を求める声は出なかったという。対立の表面化を避けようとしたのだろうが、懸案先送りにすぎない。

 貿易摩擦問題を巡り、日本は「経常収支」の不均衡を是正していくべきだと提起した。

 モノの輸出入による2国間の「貿易収支」だけでなく、金融やサービスを含む多国間の収支に目を配らなくては抜本的な解決にならない。そんな考えに基づく。

 これに対しトランプ米大統領は貿易収支に固執する。赤字を負け、黒字を勝ちとみなして身勝手な手法で赤字削減を追求する一方、自国の過剰消費が不均衡の一因であることには無関心だ。

 しかし、こうした認識は結局、米国にとっても良い結果をもたらさない。G20はその点について粘り強く説得を試みるべきだ。

 巨大IT企業への国際課税では、2020年までに長期的な解決策を取りまとめることを確認するにとどまった。

 頭文字をつなげてGAFA(ガーファ)と呼ばれる米IT大手などは、世界中で巨利を上げながら適正に納税していないと指摘されている。

 ルールに従い税を納める企業との間で公平性が保たれない現状は見過ごせない。G20は議論のペースを速めてもらいたい。

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