PR
PR

安保法施行3年 違憲性強く廃止が筋だ

[PR]

 憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能とし、自衛隊の任務を大幅に拡大した安全保障関連法の施行から3年がたった。

 安倍晋三政権は米軍艦艇の防護など安保法に基づく新任務を実施してきた。同法の既成事実化を図る意図が見て取れる。

 その結果、自衛隊と米軍の一体化は加速した。いくら政府が自国防衛や国際平和が目的と言っても、米国の敵対勢力が日本も敵とみなすような活動を増やせば、攻撃対象になるリスクは高まろう。

 安保法は戦後日本が堅持してきた専守防衛の原則に反し、違憲の疑いが濃い。廃止すべきである。

 安保法は他国軍への後方支援活動の際、弾薬提供などをできるようにし、自衛隊が活動できる場所も「非戦闘地域」から「戦闘現場以外」に広げた。

 隊員が最前線に近い場所で、より危険な任務を強いられるようになったのは間違いない。

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)では2016年、宿営地近くで政府軍と反政府軍の銃撃戦が起きた。陸上自衛隊の日報には「戦闘」と記述されていた。

 これはPKOを憲法の枠内にとどめようと設定された参加5原則の柱である「紛争当事者間の停戦合意」が崩れていた可能性があったことにほかならない。

 銃撃戦後、安保法に基づき、武装勢力に襲われた他国軍を助ける「駆け付け警護」の任務が初めて付与された。

 憲法9条は海外での武力行使を禁じている。安保法によって海外での「戦闘」に巻き込まれる恐れが強まり、憲法を逸脱しかねない状況は看過できない。

 安保法では国連が統括しない活動への派遣も認めた。エジプト・シナイ半島で停戦監視をする多国籍軍・監視団(MFO)に、自衛官2人が来月にも派遣される。

 MFOは米軍中心の活動だ。派遣の必要性は判然としない。安保法の実績作りと、米軍を直接支援する狙いが透けて見える。

 安保法を巡っては憲法9条を変えなければ集団的自衛権の行使は認められないとの議論があった。安倍政権はそれを押し切り強引に解釈変更した。

 いま首相は自衛隊を憲法9条に明記する改憲に意欲を見せる。集団的自衛権の行使容認を、憲法上より明確にすることにつなげようとしているのではないか。

 安保法に基づく既成事実を積み重ね、なし崩し的に9条を改定することは許されない。

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
PR
ページの先頭へ戻る