PR
PR

予算審議終盤へ 「統計」解明置き去りか

[PR]

 終盤に差し掛かった参院予算委員会の新年度予算案審議で、統計不正問題の論議が低調だ。

 安倍晋三首相も出席した18日の集中審議では、厚生労働省の毎月勤労統計に関し調査手法変更を議論した有識者検討会の阿部正浩座長が初めて参考人出席した。

 だが首相官邸の「圧力」の有無を巡る事実解明は進まなかった。与党は、週明けの25日に集中審議を開催した後、週半ばまでの予算成立を図る方針とされる。

 予算や政策の土台を掘り崩す統計不正問題をこのまま置き去りにしていいはずがない。行政府を監視する国会の力量が問われる。

 阿部座長は、検討会が2015年9月に中間報告を取りまとめる際、厚労省側から「今後の議論を進めていくために、ある程度の自由裁量権がほしい」との趣旨の要請を受けたことを明らかにした。

 取りまとめの方向が、現状維持から新方式への変更を含む両論併記に急きょ転換した背景を検証する上で、手がかりとなる発言だ。

 専門家による議論をないがしろにする厚労省の姿勢を阿部氏はどう受け止めたのか。両者のやりとりのより詳しい内容を知りたかったが、議論は深まらなかった。

 阿部氏の出席は野党側が再三要求して実現した。その割に追及が甘かったと言われても仕方ない。

 安倍内閣の支持率は横ばいの傾向で、統計不正の影響は直接表れてはいない。このため野党も手詰まりに陥っているように映る。

 統計の議論は専門的な内容が多いが、問題の所在を分かりやすくあぶり出すのは野党の務めだ。参院選に向けた目先の「成果」が上がらないからといって、地道な追及の努力を怠ってはならない。

 無論、第一には解明に消極的な政府・与党の姿勢が批判されよう。阿部氏とメールを交わしていた当時の厚労省課長補佐も当然招致が必要なのに、与党が拒み続けているのは全く理解に苦しむ。

 15年間続いていた勤労統計不正の真相究明自体も不十分だ。

 組織的隠蔽(いんぺい)を否定した厚労省特別監察委員会の追加報告書に対して、総務省の統計委員会は内容を批判する意見書を公表した。

 「再発防止策を考える際に必要な情報が著しく不足している」とした上で、「統計技術的・学術的に考えた時の重大性に対する認識」も足りないと言う。

 専門家の厳しい指摘を黙殺して政府・与党が幕引きを図ることは認められない。第三者機関による徹底調査を行う必要がある。

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
PR
ページの先頭へ戻る