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胆振地震初、住宅ローン減免 札幌の被災男性、調停成立

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 自然災害の被災者が被災前に借り入れたローンが減免される「自然災害債務整理ガイドライン」(被災ローン減免制度)を巡り、胆振東部地震で被災した札幌市清田区の30代男性が減免を求めて申し立てた特定調停が14日、札幌簡裁で成立した。男性は自宅が全壊する被害を受け、調停成立により、住宅ローン残高のうち約2千万円の返済が免除される。札幌弁護士会によると、胆振東部地震の被災者で、同制度に基づく調停が成立したのは初めて。

 男性は築3年の自宅が全壊し、借入先の北空知信金に制度利用を申請。弁護士による金融機関との協議や不動産鑑定士の現地調査を経て、今月1日に調停を申し立てた。調停条項は男性の手元に約400万円の財産を残した上で、ローン残高約2800万円のうち約2千万円の返済を免除。残る不動産相当額の約800万円を5年間で分割払いする。

 債務整理を担当した桶谷和人弁護士(札幌)は「男性は生活を立て直そうと、前向きに制度を活用してくれた。専門職が手続きを代行するため、本人の負担も少なくて済んだ」と話す。

 減免制度は、東日本大震災で被災住宅と新居の「二重ローン」が生活再建の妨げとなったことを受け創設。熊本地震などを含め、昨年12月末時点で全国で292件の調停が成立した。

 札幌弁護士会によると、胆振東部地震を巡る申請は今月13日現在で19件。居住地別では札幌市清田区が16件、同東区と白石区、胆振管内安平町が各1件。建物被害が相次いだ同管内厚真、むかわ両町や北広島市の住民の申請はゼロだった。

 弁護士会は「金融機関から返済の連絡がきても焦らず、まずは相談して制度の利用を検討してほしい」とする。問い合わせは平日午後2~5時に札幌弁護士会の無料相談ダイヤル(電)0120・325・104へ。(野口洸、松下文音)

<ことば>自然災害債務整理ガイドライン(被災ローン減免制度) 災害救助法が適用された自然災害により、住宅ローンや事業ローンが返済できなくなった個人と個人事業主を対象に、債務を減免する制度。全国銀行協会や日本弁護士連合会が法的拘束力のない自主的なガイドラインとして創設し、2016年4月に運用を始めた。借入額が最も多い金融機関に利用を申請し、同意が得られれば、弁護士らが債務整理を無料で代行。簡裁の特定調停手続きを経て確定する。自己破産など一般的な債務整理と異なり《1》最大500万円の現預金や公的な支援金を手元に残すことができる《2》個人信用情報として登録されない《3》保証人への支払い請求がされない―などの利点がある。

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