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初田牛駅、全国からファン続々 開業99年、3月15日廃止

 【根室】釧路と根室を結ぶJR花咲線の初田牛(はったうし)駅(根室市)が、来年の駅開業100周年を前に、15日に廃止される。周辺には人家がほとんどなく全国屈指の「秘境駅」として知られた。近年の1日の平均乗降者は0・2人だったが、廃止方針が明らかになった昨秋以降は乗降者が増加。今月に入り、最後の姿を見届けようと全国から多くの鉄道ファンが訪れている。

 「駅前の道路が舗装されていないのが良いね」「廃止前になんとか間に合って良かった」。辺り一面に雪原が広がる初田牛駅に2日、東京や千葉などから訪れた10人ほどの鉄道ファンの声が響いた。

 初田牛駅は1920年(大正9年)開業。通学など地域の足として利用されてきたが、車社会の到来や過疎化で利用が減った。2013~17年の平均乗降者は月約6人。一方、鉄道ファンの間では、広大な原野の中にぽつんと立つ駅のたたずまいが人気で、雑誌やテレビで取り上げられることも多かった。現在は1日4往復8便が停車するが、JRの鉄道事業見直しで廃止が決まった。

 駅の廃止方針が明らかになった昨年10月ごろから、駅を訪れる人が増え、駅舎に置かれた「駅ノート」の書き込みは、2月だけで約60件に及んだ。

 「人の気配が全くしません」「なくなると聞いて残念ですが花咲線は永遠に残り続けると信じています」「こんな星のきれいな所、邪魔な光がない所はそうそうありません」。「中国から来ました」とつづられた書き込みもあった。

 「廃止直前ににぎわうのは複雑な思いだ」。初田牛駅から数キロ離れた場所で暮らす初田牛町会会長の小笠原忠行さん(55)は中学、高校時代に通学で駅を利用した。「来年の駅開設100年を見届けたかった。99年の歴史で終わるのは残念だ」とさみしがる。

 初田牛町会は、駅最後の営業日となる15日、根室市観光協会やJR北海道の協力を得て、記念イベントを開く。釧路方面行き最終の2便前の午後2時12分発釧路行き列車を、駅ホームから見送る。

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