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旧中野刑務所正門を保存、東京 日本モダン建築の先駆け

 所在地の管理者が変わることで存続か解体かが注目されていた大正初期の先駆的モダン建築、旧中野刑務所正門(東京都中野区)が、現地で保存されることになった。

 正門は、日本近代建築の発展に重要な役割を果たした建築家、後藤慶二(1883~1919年)の唯一現存する作品。旧法務省矯正研修所東京支所の敷地内に残されているが、近く中野区がこの敷地を買い取り、区立小学校を建設する予定。門の解体が懸念されたことから、地元で保存運動が起こり、日本建築学会、日本建築家協会、美術評論家連盟からも保存を求める要望書や意見書が出されていた。

 中野区は(1)現地保存(内部見学可)(2)現地保存(外部見学のみ)(3)移築(4)一部保存(5)映像、模型などで記録保存―の方策を検討し、現地保存(外部見学のみ)とすることを決めた。区の文化財指定を経て東京都の文化財指定を目指すという。

 中野刑務所は15年、豊多摩監獄として落成。明治期の歴史主義を脱し、モダンデザインの始まりを告げる記念碑的作品で、大杉栄、荒畑寒村、小林多喜二、中野重治をはじめ多くの“思想犯”が収監されていたことでも知られる。正門以外は83年の刑務所廃止時に取り壊された。

 中野区は、2023年度の小学校供用開始に合わせ、学校の休業時を利用して正門の公開を始める予定。公開方法の詳細は未定だが、保存運動を展開してきた「平和の門を考える会」は「現在の設計案では正門が校舎に囲い込まれ、十分に活用できない」などとして設計の見直しを要望している。

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