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笑顔満載ワゴン、最終列車まで JR車内販売、3月廃止

 JR北海道の特急列車と北海道新幹線の車内販売が、今月末と3月15日にそれぞれ最後の営業を終え、道内の定期列車の車内販売は全て姿を消す。国鉄時代も含め親しまれてきた特急の車内販売は、温かいコーヒーや地元名物の駅弁で観光客やビジネス客にひとときの癒やしを提供してきたが、年間1億~3億円の赤字が続き、人手不足も追い打ちをかけた。客室乗務員は廃止に複雑な気持ちを抱きながらも「最後までしっかりしたサービスを」と誓う。

 「温かい飲み物はいかがでしょうか」。札幌発函館行きスーパー北斗で、客室乗務員の松浦はるかさん(38)がワゴンを押しながら乗客に声を掛ける。学生時代に飲食店で働いて接客の魅力に気付き、2001年に憧れだった客室乗務員としてJR北海道に採用された。「お客さまとの会話はとにかく楽しい。廃止は残念でならない」と話す。

 車内販売は、国鉄民営化を経て一時中断したが、JR北海道になってからは札幌―釧路間の特急スーパーおおぞらで1997年に開始。以降、函館、網走、稚内、帯広の各方面の特急で導入され、2001年度には約8億円を売り上げた。ただ、コンビニエンスストアやペットボトル飲料の普及で乗車前に弁当や飲み物を買う乗客が増え、17年度の売り上げは4分の1の約2億円に落ち込んだ。経営難による合理化と人手不足も加わり、JRは15年から車内販売を縮小してきたが今年1月、全面廃止を決めた。島田修社長は今月14日の記者会見で「利用促進に大きく貢献したが、利用が大幅に減少し、見直さざるを得ない」と述べた。

 客室乗務員1期生の日妻明香(ひづまさやか)さん(45)は、ここ10年ほどの利用減を肌で感じてきた。渡島管内長万部町名物の駅弁「かにめし」の予約はピークの半分以下。「廃止は会社の判断だからやむを得ないと自分に言い聞かせている」と言う。一方で「客室乗務員は存在自体がサービス。車内販売がなくなり、列車で過ごす時間が味気なくならないか」と案じる。28日は、車内販売を行う最後の列車に乗務する予定だ。「お客さまに泣き顔は見せたくない。惜しまれるようなサービスを最後まで果たします」

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