PR
PR

社外取締役 実効性高める法整備を

[PR]

 法制審議会が、上場会社や非上場の大企業に社外取締役設置を義務付ける会社法改正の要綱案をまとめた。近く法相に答申する。

 相次ぐ不祥事で日本企業の閉鎖性が問題視される中、社内のしがらみに縛られない第三者が経営に目を光らせ、監視機能を高めようとするのは妥当と言えよう。

 もっとも、上場企業のほとんどは既に社外取締役を置いている。なのに、日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告の報酬過少記載や東芝の不正会計では、社外取締役が有効に機能したとは言い難い。

 投資家からの信頼を得るためには、質の高い人材を社外取締役に登用し、適切な判断を下せる体制をつくることが不可欠だ。

 社外取締役設置の義務化は2012年にも議論されたが、産業界などの反対で見送られた。背景には日本企業の身内意識の強さに加え、経営者の権限が制約されることへの抵抗もあった。

 だが、東京証券取引所が15年に導入した企業統治指針で1、2部の企業に2人以上の社外取締役設置を求めたこともあり、現在では上場企業の9割超が2人以上を置いている。

 義務化は現状追認にすぎない。問題は実効性をどう高めるかだ。

 社内に常駐せず、時に厳しい指摘もする社外取締役は、経営の機微に触れる情報などが上がりにくいとされる。必要な社内情報を入手できる仕組みが求められよう。

 取締役会に慎重論もあって原発輸出計画を凍結した日立製作所のように、社外取締役が取締役会議長に就き、議事運営に深く関与するのも一つの手だろう。

 ただ、的確に経営を把握し、助言できる人材は限られている。道内など地方であればなおさらだ。

 1人が複数企業を兼任する例も多く、取締役会に出席できないなど監視機能の低下が懸念される。

 かといって関連企業や取引先から選べば、独立性が求められる社外取締役が形骸化しかねない。適材確保には一層の工夫が必要だ。

 要綱案は役員報酬についても、取締役会が基本的な考え方を決め、開示することを盛り込んだ。

 解せないのは、役員個々の報酬開示が見送られたことだ。

 日産では報酬決定など絶大な権限がゴーン被告に集中し、暴走を許したとされる。報酬の透明性が問われていることを考えれば、踏み込み不足と言わざるを得ない。

 外部の視点を企業統治に生かすためには、法改正にあたり、さらなる透明性向上を図るべきだ。

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る