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被災地の今、課題は 胆振東部地震5カ月 東北大・定池助教に聞く

 【厚真】胆振東部地震の発生から5カ月が過ぎ、厚真、安平、むかわの被災3町では、復興への取り組みも進みつつある。2014年から17年まで厚真町の防災アドバイザーを務め、地震後も継続的に助言を続ける東北大学災害科学国際研究所助教の定池祐季さん(災害社会学)に被災地の復興に向けた課題や今後の注意点を聞いた。(聞き手・蒲生美緒)

 ――住宅に被害を受けた住民が仮設住宅で初めての冬を過ごしています。

 「今回の仮設住宅は過去の災害の仮設住宅と異なり、寒冷地仕様となっています。しかし、施工の微妙な差で結露や凍結などの不具合が発生しています。東日本大震災の仮設住宅では風除室やスロープを後から付けました。アパートで不具合があれば、大家さんに連絡しますよね。仮設住宅も住みにくいところがあれば、まずは町に相談しましょう」

 ――集合住宅で暮らすのは初めての居住者も多いようです。

 「年末に仮設住宅の談話室で年越しの集まりが開かれたり、除雪について居住者同士で話し合ったりと自主的な活動も出てきています。冬の間に新たなつながりができると、新しいコミュニティーでの自治につながると思います。隣近所が密接した生活に慣れない人もいるでしょうが、期間限定と割り切り、前向きに受け止める気持ちの持ちようが大切です」

 ――復興へ向けて行政が気を配るべきことは。

 「どこの被災地でも目に見える被害の程度が大きい人から支援していきます。その後、時間がたってから、支援から見落とされている人が明らかになる場合もあり、目配りが必要な状況は続きます。町職員の激務も続き、心身の不調に至る例も少なくないので、被災自治体への応援職員派遣は続ける必要があります」

 ――胆振東部地震の経験を踏まえ、今後の防災への課題は。

 「地域の特色に合わせた災害への備えを想定する必要があると強く感じました。被災3町は被災範囲が広い上に1次産業従事者が多く、さまざまな事情で避難所に来られない人に支援物資や情報を行き届かせる工夫が必要でした。これは道内の多くの自治体でも想定すべきことです。季節ごとの住民の生活パターンも考慮した防災や災害対応を検討していくことが大切です。自然災害が多発する時代に被災の経験を生かさなければいけません」

<略歴>さだいけ・ゆき 1979年、上川管内剣淵町生まれ。中学時代を奥尻島で過ごし、北海道南西沖地震を経験。北大大学院文学研究科博士後期課程修了。東大大学院情報学環総合防災情報研究センター特任助教などを経て、2017年4月から現職。

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