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JRの信頼回復、道半ば 幹部無罪 弁護側「捜査不十分」

 鉄道事業者としての信頼を失墜させたJR北海道のレール検査データ改ざん事件から5年超。6日の札幌簡裁判決は、法人としてのJRに求刑通り罰金100万円を言い渡した一方、本社幹部3人は無罪とした。弁護側は「結論ありきで、捜査が不十分」と批判。ただ、結城真一郎裁判官は、改ざんの背景に安全よりも運行を重視した企業風土があったと指摘し、JRにさらなる安全対策と意識改革を求めた。

 「自覚を改めて持ち、同じ事故を起こさないことを望みます」―。結城裁判官は判決言い渡し後、JRの島田修社長に語りかけた。島田社長はうなずき、深く一礼。無罪を言い渡した幹部3人に対しても「刑事責任を問うことはできないが、一定の社会的責任があります」と述べ、3人は硬い表情で法廷を後にした。

 弁護団は判決後、札幌市内で記者会見し、判決について「弁護側の主張がほぼ全面的に認められた」と評価した。幹部3人を起訴した検察の判断に対し「検察の主張は『実際に改ざんされたデータを見たのだから、改ざんと分かったはずだ』という結果論にすぎない」と批判した。その上で、JRに対する有罪判決について「会社の責任は全面的に認める」とし、控訴しない方針を示した。

 事件を巡っては、函館保線所と大沼保線管理室の現場社員13人が改ざんを認め、罰金刑を受けた。道警や検察は「本社も積極的に関与した組織的な犯罪」とみて捜査を重ね、幹部3人の起訴に踏み切った経緯がある。検察幹部は「改ざんが社会にどのような影響を与えたかという点も、起訴するかどうかの判断材料の一つだった」と明かす。

 当時を知る道警の捜査員は「JRという組織全体の問題と捉え、数多くの証拠を積み重ねて立件した」と強調。「幹部の関与を認めなかった判決を『良し』とし、現場の社員にだけ責任を押しつけて終わるようなら、組織の体質は改善されないだろう」と話した。

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