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<道内の産業シリーズ>2 「人工知能(AI)」 利用 医療や酪農にも

 いま、暮らしの中で人工知能(AI)の利用が急速に広がっている。製造業を革新する第4次産業革命や、新しいサービスなどの提供を目指す国のソサエティー5.0構想でも重要な役割を果たすこの技術に、独自に取り組む企業も身近で増えてきた。就活生のための道内産業シリーズ2回目は「AI」。(道新夢さぽ取材班 青山実)

 AIとは「Artificial(人工の)Intelligence(知能)」の略。厳密な定義はなく、人間に似た推測や判断などを行えるようにした人工的な知能や技術、あるいはそれができるコンピューターを指す。ただ、本質はそのような機能を発揮できるように設計されたコンピューターのプログラムで、学習により成長して人間が教えた以上のことができるようになる点が特徴だ。

 歴史的には1950年代に米国で研究が始まり、80年代以降、コンピューターやインターネットの発達、脳科学の進展、膨大な情報を生かせるビッグデータの登場などで2000年代に入り実用化が加速。北海道大学大学院でAIを研究する川村秀憲教授(45)は「道内でも10年ほど前からビジネス化が始まり、いま本格的に取り組んでいる企業は10社前後でさらに増える傾向にある」とみる。

■4種の技術 生活に貢献

 道内企業が開発したシステムや商品をAIに結びつけている技術で分けると、大きくは《1》画像系《2》音響系《3》データ系《4》計算系の4種類。画像系はカメラとAIを搭載したコンピューターを結び、学習により対象物の特徴を見つけて判別から行動予測などまで行う。北大発のベンチャー企業で幅広い領域のAIビジネスを展開する調和技研(札幌)の画像診断システムは、コンピューターが多数の臓器などの写真を学習し、病気の判別などができるもので、3カ所の医療機関などから研究委託を受けている。

 音響系ではコンピューターが音の変化で異常を知らせるバーナードソフト(札幌)の監視システム、データ系ではファームノート(帯広)の牛の飼育管理システム、計算系では目的地までの最短経路などを瞬時に出す未来シェア(函館)のバス・タクシーの便乗システムがある。

■地域課題 解決の武器に

 今後、AI関連市場は拡大が見込まれ、市場調査会社の富士キメラ総研(東京)は、16年度が2704億円に対し、30年度は2兆250億円と7倍以上に増えると予測する。道内では観光や流通などへの利用も期待されるが、川村教授は「AIは人口減少や少子高齢化、過疎化の拡大など地域課題の解決にも役立つ大きな可能性をもっている」と指摘する。

 AI企業への就職を志す場合、未来シェアの社長も務める公立はこだて未来大学の松原仁教授(60)は、「世の中にどんな問題があってどの技術を使うと解けるのか、自分で仕事を探していく気持ちが大切」と話している。

 ◇3回目は4月3日に掲載します。

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