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スプレー消臭契約突出 元従業員「ノルマあった」 平岸爆発の不動産店

 札幌市豊平区平岸の不動産仲介業者「アパマンショップ平岸駅前店」で昨年12月、大量の除菌消臭用スプレーの在庫処分中にガスに引火したとされる爆発と火災で、同店のスプレーによる消臭業務の契約件数が、道内の他店舗の数倍に上っていたことが15日、関係者への取材で分かった。同店では入居者と契約しながら、消臭業務を実施していなかった事例が確認されており、爆発の背景には、利益率が高い消臭業務で売り上げを伸ばす仲介業者の実態が浮かぶ。

■毎月10件近く

 52人が重軽傷を負った爆発と火災から16日で1カ月。道警は、これまでの現場検証でスプレー缶240本以上を押収、同店の男性店長(33)が在庫処分のため、店内で約120本のスプレーを一斉に噴射し、可燃性ガスに引火したとみて重過失致傷容疑などでの立件を視野に調べている。

 同店の運営会社「アパマンショップリーシング北海道」の佐藤大生(たいき)社長は取材に対し「平岸駅前店は入居者との消臭業務の契約数が毎月10件近くに上っていたが、道内の他店舗の契約は月1件程度だった」と話した。

 消臭スプレーの原価は1本約千円で、消臭業務では一部屋につき1~2本を使用。入居者からは料金として1本あたり約1万円を取っていた。

 消臭業務は各店舗の従業員が物件を回って、スプレーを噴射するだけの作業だが、同社幹部は「平岸駅前店の店長が多忙を理由に一部で消臭業務を実施しておらず、未実施の件数など詳細を調べている」と説明。親会社の「アパマン」(東京)は爆発を受け、全国の系列80店舗で消臭業務を中止し、スプレーの使用状況について調査している。

 運営会社の佐藤社長は「消臭スプレーの売り上げでノルマはなかった」と強調する。一方で、アパマン社は各店舗に対して消臭業務の受注を推奨。全国大会を開いて、スプレーの購入個数が多い店舗を表彰していた。同社の道央の店で勤務していた元従業員も「入居者と賃貸契約を結ぶ際、全体の契約の半数は消臭業務を受注するノルマがあった」と証言する。

 同社と契約した入居者は、消臭スプレーを巡る不透明な説明に不信感を募らせる。札幌市東区の物件に入居する留学生の男性(23)は「契約書に『消臭代』とあったが説明は無く、入居時の義務と考えていた。未実施であればひどい話だ」と語った。別の物件に住む自営業の50代男性も「契約時に消臭料金を取られていたが、消臭方法は事故が起きて初めて知った。スプレー缶を噴射するだけの手間で1万円は高すぎる」と振り返った。

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