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首相「土砂投入前にサンゴは移した」 辺野古移設 県は反発「事実誤認」

 安倍晋三首相が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古(へのこ)への移設計画を巡り、NHK番組で「土砂投入にあたり、あそこのサンゴは移している」と発言したことに批判の声が上がっている。環境への配慮を打ち出す狙いがあったとみられるが、実際に移植したサンゴは土砂投入が進む区域の外にあった9群体のみ。不正確な発言に沖縄県や野党は「事実誤認だ」と反発しており、今月下旬召集の通常国会でも追及されそうだ。

 首相は6日放送の番組で、辺野古沿岸部で昨年12月に始まった土砂投入について「沖縄県民の理解をどう得るか」と問われ、サンゴ移植に触れた上で「絶滅危惧種が砂浜に存在していたが、別の浜に移していくという環境の負担をなるべく抑える努力もしている」とも強調した。

 沖縄県水産課によると、移設工事で埋め立てが予定される海域には、沖縄防衛局が移植対象とするサンゴが約7万4千群体ある。首相が言う「あそこ」がどこを示すかは不明だが、現在、土砂投入の進む海域には移植対象のサンゴは存在しないという。

 実際に防衛局が昨年7~8月、移植したのは土砂投入区域の外にあった絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ9群体のみ。昨年12月、同局はさらに3万9千群体の移植申請を行ったが、県は許可していない。

 サンゴの移植や保護が終わっているかのように受け取れる首相の発言を受け、沖縄県の玉城デニー知事は「現実はそうなっていない」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎代表も記者会見で「いかなる根拠と事実に基づいて発言されているのか明らかにしたい」と追及する構えを示した。

 辺野古の移設計画を巡っては、英ロックバンド「クイーン」のギタリストのブライアン・メイ氏が「美しいサンゴ礁と生態系を守るために署名を」とインターネット上で呼びかけるなど、反対の動きが広がっている。首相はこうした世論も意識したとみられるが、これまでの強硬姿勢に加え、不正確な発言を重ねれば、さらなる反発は避けられない。(古田夏也)


 ■首相の6日放送のNHK番組での発言

 「土砂を投入していくにあたって、あそこのサンゴは移している。また、絶滅危惧種が砂浜に存在していたが、これは砂をさらってしっかりと別の浜に移していく、という環境の負担をなるべく抑える努力もしながら行っているということだ」

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