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<書評>根井雅弘

《1》官僚たちのアベノミクス 軽部謙介著(岩波新書 929円)
《2》資本主義の歴史 ユルゲン・コッカ著(山井敏章訳/人文書院 2376円)
《3》未来の人材は「音楽」で育てる 菅野恵理子著(アルテスパブリッシング 1944円)

 《1》は、アベノミクスの政策作成に関与した官僚たちを表舞台に引き出したスリリングな読み物。政府・日銀による「共同声明」以降、彼らは主要官庁、財界、有識者など本来は多様な立場をどのように調整し、一つの政策へとまとめていったか。アベノミクスの理論的検討なら別の本を読むべきだが、政策の決定過程に関心のある人には必読。

 《2》はドイツの著名な経済史家による水準の高い資本主義論である。経済学の入門書にありがちな、「市場メカニズム」中心の資本主義論とは一線を画し、それが多様な社会的・文化的・政治的諸条件の下で存続してきた事実をグローバルな視点で概説している。

 《3》は、歴史上の音楽家たちが現代にも通ずる「精神」(多様性、ソーシャルなマインド、回復力、芸術の最先端、生命・宇宙のサイクル)に対する感受性に優れていたことから学ぼうという興味深い人材育成論である。

(京都大教授)

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