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商業捕鯨再開へ強硬策 日本IWC脱退へ マグロ、サンマは協調、「二重基準」信頼低下も

商業捕鯨再開へ強硬策 日本IWC脱退へ マグロ、サンマは協調、「二重基準」信頼低下も

 国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退方針を固めた日本は、IWCに残りつつ商業捕鯨をするノルウェーやアイスランドがつくる北大西洋海産哺乳動物委員会(NAMMCO)との連携も視野に、約30年ぶりの商業捕鯨再開を目指すとみられる。ただ戦後、日本が国際機関を脱退した例はほとんどなく、国際的な信頼低下は必至。太平洋クロマグロやサンマなどの資源管理は協調路線を維持しており、水産を巡る「ダブルスタンダード(二重基準)」とも言える姿勢が国際社会で理解を得られるかは不透明だ。

 鯨食文化が根付く日本はIWCで商業捕鯨再開を再三提案してきたが、国際社会の視線は厳しく、否決され続けてきた。2014年には、反捕鯨国の急先鋒(せんぽう)とされるオーストラリアが南極海での調査捕鯨の停止を求めて国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)に訴えた裁判で敗北し、同地域での調査捕鯨が一時中止に追い込まれた。

 今年9月にブラジルで開かれたIWC総会では「背水の陣」(水産庁幹部)で臨み、商業捕鯨の一部再開を提案したものの、またも否決された。10月にはワシントン条約の常設委員会が北西太平洋の調査捕鯨で捕獲したイワシクジラの肉の日本国内への持ち込みが、商業目的で条約違反だとして是正を勧告した。

 この数カ月で、商業捕鯨再開の見通しが限りなく閉ざされた格好となり、自民党の捕鯨関係議員にIWC脱退を求める意見が一気に強まった。自民党議員の一人は「脱退の意向は政府にずっと伝えてきた」と話す。こうした自民党内の声と、IWCでの日本の主張は客観的だとする水産庁の姿勢は、国際的な批判に神経質になる外務省の懸念を上回り、政権を離脱方針に踏み切らせた。自民党幹部は20日、政府の脱退方針について「マイナス面もある」としつつ、クジラの伝統的な食文化を守ることが必要との考えを示した。

 ただ、先行きは見通せない。来年1月1日までに脱退をIWCに通告すれば、同6月30日に脱退することになる。同時に商業捕鯨再開が可能になるが、批准する国連海洋条約は、クジラを「国際機関を通じて管理する」ことを義務付ける。

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