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札幌の新人看護師自殺、国が一転労災認定 母親、12日意見陳述

 KKR札幌医療センター(札幌市豊平区)の新人看護師杉本綾さん=当時(23)=は就職から8カ月後の2012年12月、自ら命を絶った。「娘は長時間労働の末、うつ病を発症して自殺に追い込まれた」―。母親(55)が労災認定を求めた訴訟で、訴えを否定し続けてきた国側は10月、一転して業務が原因の過労自殺と認めた。訴訟の取り下げを前に、母親は12日、札幌地裁で開かれる最後の口頭弁論で思いを訴える。「一人の女の子の労災で終わらせたくない。声を上げ続けて、『残業が当たり前』の世の中を変えたい」

 先月末、労働基準監督署から書留郵便が届いた。「申請のあった支給金の支払いを決定しました」。A4判2枚。26日付で綾さんの死を労災と認めたと伝える内容だった。娘のように、声に出せずに苦しんでいる人が他にもいると思うと、喜べなかった。

 綾さんは母親による祖母の介護を間近にみた経験などから看護師を志し、札幌市立大看護学部を卒業。12年4月に同センターへ就職し、翌月には時間外労働が91時間に上った。午前4時半に起きて始業1時間前には出勤し、帰宅後も深夜まで復習やリポート作成に追われた。7月に夜勤が始まり、投薬量を誤るミスなども重なった。

 綾さんは病院に提出する毎日の日誌に「受け持ち患者への対応に時間がかかっている状態で困っています」などと記したが、病院側からは「勉強が必要」などと指導を受け、担当する患者数などは増え続けたという。遺書には「誰に助けを求めればいいのか、助けてもらえるのか全然分からなくて」とつづられていた。

 「日々、死と向き合う多忙な職場で、新人もいち早い自立を求められた。綾は何をどうすればいいのか分からず、疲弊したんです」

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