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東海第2原発 運転延長は筋が通らぬ

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 稼働して40年を迎える日本原子力発電東海第2原発(茨城県)に対し、原子力規制委員会は最長20年の運転延長を認可した。

 東京電力福島第1原発事故後、原発の運転期間は原則40年に制限された。規制委の認可があれば延長可能とはいえ、政府は「例外中の例外」としていたはずだ。

 にもかかわらず、これまで申請のあった4基の原発はすべて延長が認められてきた。

 しかも東海第2原発は、過去の3基とは異なり、福島第1原発と同じ沸騰水型で、東日本大震災の津波に被災した原発でもある。

 老朽原発の事故リスクを減らすために設けた「40年ルール」が、これでは骨抜き同然ではないか。規制委の判断は大いに疑問だ。

 大手電力への電気卸売りを手がける原電は、所有する原発3基が停止し、経営が悪化している。

 すでに敦賀原発の1号機(福井県)は廃炉が決定し、2号機も直下に活断層があると指摘され、再稼働が全く見通せない。

 残る東海第2原発も、運転開始40年の前日に当たる今月27日までに必要な審査に通らなければ、自動的に廃炉となるところだった。

 規制委は、新基準への適合、安全対策の工事計画、運転延長という三つの審査を同時に進め、今年7月以降、相次ぎ合格を認めた。

 原電が事業を存続できるように、最優先して審査を行ったと受け取られても仕方ない。

 工事計画が認可されたといっても、原電は1700億円を超す費用を自力調達できず、株主で電気の販売先でもある東電と東北電力に支援を仰ぐありさまだ。

 福島の事故を起こし、国の支援を受けている東電にはそもそも他社の再稼働を支援する資格も余力もない。東海第2原発で過酷事故が起きた場合、到底責任を負える体制とは言えまい。

 原電は今春、再稼働に対する事前同意の権限を立地自治体の東海村に加え、水戸市など周辺5市にも認める安全協定を締結した。このうち那珂市の市長がすでに再稼働への反対を明言している。

 東海第2原発の30キロ圏の人口は全国の原発で最多の96万人を数える。事故に備え、住民すべてが納得する避難計画を策定するのは難しく、関係自治体が再稼働に慎重になるのも当然だ。

 どう見ても運転延長は筋が通らない。原電や株主の電力各社は、老朽原発を無理に延命するのではなく、存廃も含め原電の経営自体を抜本的に見直す必要がある。

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