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「いずみ」投稿24編を一冊に 旭川・92歳の中山さん自費出版 苦楽したため40年

 【旭川】旭川市内で洋裁教室を主宰する中山和子さん(92)が、北海道新聞の読者投稿欄「いずみ」に掲載された24編をまとめた冊子「私の半生 折々につづる」を自費出版した。日常で気付いたささやかなことを記し続けて約40年。「良いことも悪いこともあった。自分の思いを全道に伝えることができたのではないか」と感慨深げだ。

 中山さんは旭川生まれ。市立高等女学校を卒業後、女子勤労挺身(ていしん)隊として東京の会社に勤めたが、東京大空襲を受け帰郷。東神楽村(当時)の国民学校で代用教員となった。「女性も手に職を付けないと」と母に勧められて洋裁を学び、50年ほど前に教室を構えた。大勢の生徒に洋裁の楽しさを伝える毎日を送った。

 「いずみ」への投稿は、自分の思いを形に残そうと始めた。初めて掲載されたのは55歳の時。青函連絡船から夜の海を見ていて、人恋しくなり涙があふれた時の心のうちを「小さな旅をして」と題してつづった。

 「いずみ」に掲載されたのは約50編。戦時中に湯たんぽを供出した思い出、結婚した長女をがんで亡くした悲しみ、夫をみとることができなかった悔しさ、ひ孫と花火大会で大輪を眺めた楽しいひととき…。いつも教室を終えた夜、1人で原稿用紙に向かい、ボールペンを走らせてきた。

 新聞に名前が載ると、近所の人に声を掛けられることも多くなった。90歳を超えた今も、散歩中に見たり感じたりしたことを「書かなきゃいけない」と思う。

 A5判98ページ。道新の日曜文芸欄に投稿した短歌や詩も収録した。50部作製し、世話になった人に贈った。「投稿を続けられたのは小学校や女学校の恩師が文章力を育ててくれたから」と感謝する。「波瀾(はらん)万丈の人生だったが、多くの人に見守られて生きてきた。読み返してそう、思います」(相沢宏)

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