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災害と政治

 北海道を襲った地震の衝撃は、家族や知人から聞かされた。東京にいたら実感を持ちにくいのだが、揺れや停電の衝撃は今までに経験したことのないレベルだったと一様に言っている。今年は、中四国、関西、そして北海道を自身、集中豪雨、台風が襲って、自然災害の猛威を思い知らされた。なぜか首都圏には今のところ大きな災害がなく、こちらの人々は東日本大震災の衝撃もだいぶ忘れているように思える。

 オリンピックに向けて東京は開発ラッシュで、東京湾に近い地域でも巨大なビルやタワーマンションがどんどん建設されている。地盤がそれほど強固なところとは思えない所で、津波や高潮、液状化が襲ったらどうなるのか。物理的に建物が大丈夫でも、停電すれば高層マンションの住民はたちまち難渋する。今の安定状態がこれからも続くという前提で物事を考えるのが、日本の政策決定である。

 これから災害復旧に向けて政府の役割は大きい。かつて、ナオミ・クラインというジャーナリストが『ショックドクトリン(惨事便乗型資本主義)』という本を書いた。これは、通貨危機のような経済的ショックに乗じて、緊縮財政、民営化などの「構造改革」を新興国に押し付けるという問題を描いた本である。今の日本では、別の意味でのショックドクトリンが現れつつあるように思える。日本語で言うなら、惨事便乗型棄民ということになろうか。

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