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十勝の畑、キャンバスに GPSトラクターで畑アート20カ所

 衛星利用測位システム(GPS)を使ったトラクターで描かれた巨大な絵や文字が、十勝管内のあちこちの畑に出現している。農機メーカー社員前田篤志さん(33)=同管内音更町在住=が4年前から始め、これまで20カ所で手がけた。最新技術の普及で手軽に精巧な「畑アート」ができるようになり、制作依頼も増加。農業地帯ならではの取り組みは口コミで広まり、地域の人たちを楽しませている。

 8月上旬、収穫を終えたばかりの同管内士幌町の小麦畑3ヘクタールの上をトラクターが縦横無尽に走っていた。トラクターに引かれた耕運機が土をおこし、黄金色の畑に茶色の曲線を描いていく。あっという間に巨大な「北海道150年事業」のロゴマークが現れた。

 かつては何時間も測量して制作した畑アートも、GPSを駆使すると30分から1時間ほどで完成。好みの絵柄や文字をパソコンソフトに取り込み、地図と組み合わせてデザインを作る。

 デザインのデータをトラクターの自動操舵(そうだ)装置に取り込むと、運転用モニターに図柄や文字が現れ「後はハンドルが自動で動きます」と前田さんは涼しい顔だ。

 十勝で農業機械の商品企画を担う前田さんが畑アートを始めたのは2014年、農協職員らとの雑談がきっかけだった。「畑の地図に絵を描いて、その通りにGPSトラクターを走らせたらどうなるかな」

 早速知り合いの農家の畑を借り、トラクターを走らせてドローンで撮影してみた。「大人の遊び心」に火が付き、仕事の合間を見つけてはボランティアで各地の畑を回り始めた。

 取り組みは口コミで広まり、制作依頼が相次いでいる。大きいものでは10ヘクタールの畑にナスカの地上絵を描いたり、帯広空港周辺の畑に飛行機から見えるよう「ようこそ帯広へ」とメッセージを残したり。8月中旬に上士幌町で開かれた熱気球イベントでは、同町の熱気球文化振興に尽力した故大岩正和さんの追悼飛行に合わせ、「大岩さんありがとう!」のメッセージを記し、遺族らを喜ばせた。

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