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2割節電終了 「京極」稼働で危機脱出 家庭・企業の負担考慮

2割節電終了 「京極」稼働で危機脱出 家庭・企業の負担考慮

 政府や北海道電力が3連休明けの18日から2割としていた平日の節電目標設定をやめるのは、京極水力発電所(後志管内京極町、合計出力40万キロワット)が想定より早く稼働して必要な供給力を確保できたためで、厳しい目標設定の長期化は道民や企業の負担が大きいことも考慮した。ただ、フル稼働している老朽火力発電所がトラブルで停止する恐れがある上、寒さが厳しい冬に向けて電力消費が増加するのは必至。危機を脱したとは言え、電力需給は依然として厳しい状態だ。

 「ライフスタイルに大きな制限がかからない節電をやってもらえれば需給バランスは保てる」。世耕弘成経済産業相は記者団に対し、13、14日に京極発電所の2基が稼働したことで電力が不足する危機が薄れたとの見方を示した。

 道内の電力需給は、胆振東部地震で苫東厚真火力発電所(胆振管内厚真町、165万キロワット)が停止したことで逼迫(ひっぱく)。政府や北電は家庭や企業に2割の節電を要請した。北電は停止中の火発を順次立ち上げ、京極発電所も修理を短縮化し、1号機(20万キロワット)は当初予定より8日間、前倒しして稼働。2号機(同)も稼働させたことで、供給力は地震前のピーク需要を超える426万キロワットまで積み上がり、計画停電は回避できる見通しとなった。

 家庭や企業に節電が定着したことも大きい。自動車部品や食品製造など幅広い業種で工場を夜間に操業させたほか、家庭では節電の動きが拡大。地震前と比べた需要の減少率を示す節電率は常時10~20%程度で推移し、「今後もある程度需要が抑えられることが見通せた」(経産省幹部)ことも節電目標を解除する決め手になった。

 苫東厚真火発1号機(35万キロワット)が9月末以降に復旧すると、道内の供給力は計461万キロワットになり通常の供給体制になるが、フル稼働させている老朽化した火力発電所は、いつ停止してもおかしくない状態。暖房を使う冬に安定需給を確保するには、10月中旬以降に復旧する見通しの苫東厚真2号機(60万キロワット)をはじめ、他の火発などの稼働を確実に進めていくことが不可欠で、電力不足に陥れば、再び節電数値目標が設定される可能性もある。

 今回の停電が長引いた背景には、電力需要が高まる冬に向けて多くの発電所が点検に入っていたため稼働に時間がかかったこともある。世耕氏は停電の再発を防ぐには「第三者による検証がきわめて重要と考えている」とする。政府は早ければ来週にも電力広域的運営推進機関(東京)に第三者委員会を立ち上げ、北電の発電所点検体制などについて検証する考えだ。(長谷川裕紀、権藤泉、石井努)

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