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『グッド・ドクター』脚本家「僕は“フジっ子”」【徳永友一インタビュー 後編】

 自閉症スペクトラム障がいでサヴァン症候群の主人公が、小児外科医を目指し奮闘する姿を描いた山崎賢人主演のドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)。今期ドラマの話題をけん引した同作の脚本を手がけるのは、『フジテレビ ヤングシナリオ大賞』を機に脚本家デビューし、以降、『海の上の診療所』(13年)、『水球ヤンキース』(14年)、『探偵の探偵』(15年)、『僕たちがやりました』(17年)、『海月姫』(18年)など、フジテレビを中心にさまざまなヒット作を輩出する人気脚本家・徳永友一氏だ。

【グラフ】『グッド・ドクター』のドラマ満足度の推移

◆子どもの頃から大のドラマ好き、フジテレビのドラマから脚本の書き方を学んだ

 徳永氏は『グッド・ドクター』をはじめ数々のヒット作を生み続けているが、その背景にあるものとはなんなのだろう。同氏は「フジテレビのドラマを観て学び、書き方も学んだように思う」と話す。

「僕はトレンディドラマ世代。『東京ラブストーリー』をはじめ、『101回目のプロポーズ』や『ピュア』、また『ロングバケーション』なども大好きで何回も観ていました。当時僕は、“ドラマ日記”というものを付けていて、『101回目~』を観て、“好きな人に告白をしよう”“一度ぐらい失敗したからといって諦めてはダメだ”といった文章を書き留めたりしていました。また、好きなドラマ作品を書き起こして脚本の勉強も。そうして『電車男』第6話でついにデビューすることが叶ったのですが、デビュー作なだけに大変な不安がありました。それが顔にも出ていたのでしょうね。企画の鈴木吉弘さんが『大丈夫だよ。この脚本には問題が3つあるけど、その解決策を僕はすべて持っているから安心して』と。エルメスと電車男が手をつなぐのが早いか遅いかなどの構成上の組み換えを行ったところ、すべての問題が解決したことに衝撃を覚えた記憶があります」

 鈴木吉弘氏といえば、『NIGHT HEAD』『振り返れば奴がいる』『お水の花道』『HERO』など大ヒットドラマの企画や、『人間の証明』『西遊記』『ガリレオ』などのプロデュースも務めたフジテレビドラマの“顔”的存在。その鈴木氏から直接、ドラマ作りを教わったことで「フジテレビ的なドラマツルギーが僕の中に直に入ってきた。当時のフジドラマの特徴として、エンタテインメントに特化している部分があり、そこから伏線などをどう積み重ねればカタルシスが得られるかも学習。そういった意味でも僕は“フジッ子”です(笑)」と徳永氏は語る。

 ところで、徳永氏のプロフィールを見ていくと、この『グッド・ドクター』をはじめ、『僕たちがやりました』『海月姫』など、原作ものに多く携わっていることに気づく。

「脚本家としてはオリジナルで勝負したい部分はあるのですが、かといって、原作ものでオリジナリティを出せないかというとそうでもなくて。本質を曲げなければ、どんなに形状を変えても認めてもらえることが多い。実際、『僕たちがやりました』や『海月姫』も原作者から褒めていただけました。だから僕はあまり原作、オリジナルものって分けて考えてはいない。全部ある意味、オリジナルなんだと思って作るようにしています。観てくださる方にとっては、原作ものだろうがオリジナルだろうが面白ければ良いんです」

◆映画や海外ドラマ脚本を手がけてみたいという思いも

 ドラマ畑で育った徳永氏はテレビドラマへの愛情も強い。だが一方で、次々と新しいことに挑戦していきたいとも語る。

「ドラマを書き続けながら、映画にももっと挑戦していきたいですね。あと海外ドラマを書いてみたいという気持ちもあります。僕の書いた脚本を翻訳してもらって中国やアメリカで。日本のドラマは10話が多いので、物語は結末に向けて収束していく形になります。ですが海外ドラマは話数が多く、どんどん物語を広げていける。そうした新たな取り組みをやっていきたいという夢はあります」

 昨今、テレビを取り巻く環境は大きく変化している。インターネットの普及を筆頭に、定額制映像配信サービス等の“新勢力”の登場によって、テレビが脅かされているという見方がある一方、クリエイターにとってはいたるところで新たな可能性も開けている。また16年のTBS系『逃げるは恥だが役に立つ』の大ヒットをはじめ、今年はTBS系『アンナチュラル』(1月期)、テレビ朝日系『おっさんずラブ』(4月期)、そして今クールでは『グッド・ドクター』やTBS系『義母と娘のブルース』の好調など、不調と言われ続けたテレビドラマシーンに新時代が訪れているような予兆もある。

「ですから僕は、まだまだ悲観する必要はないと思っています。作品作りというのは共同作業。僕が1人で脚本を書いて作品が出来上がるわけではなく、プロデューサー、ディレクター、それぞれの人生経験や価値観が合わさって良い作品は生まれていくのだと思っています。今後も僕は、そういったものをぶつけ合える同士に巡り合っていきたい。そしてそんな方々と仕事をしていきたい。日本のテレビドラマというもの、それが与える勇気や力、わざわざお金を払わなくても見られる“身近さ”、そういったものはなくしてはいけないものだと僕は考えています」

(文:衣輪晋一/メディア研究家)

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