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地震と土砂崩れ 命を守る対策が急務だ

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 胆振管内厚真町で最大震度7を観測した胆振東部地震では、多くの人が土砂崩れの犠牲になった。

 現場一帯が脆弱(ぜいじゃく)な火山灰や軽石の地層だったため、激しい揺れで山が一気に崩れ落ちた可能性が高い。降雨の影響も指摘される。

 道内では依然として余震が続いており、引き続き、厳重な警戒が求められよう。

 日本は火山国だ。過去の火山活動で降り積もった火山灰が山を覆っている地域は、道内をはじめ全国各地にあり、集落が隣接する場所も少なくない。

 熊本地震や岩手・宮城内陸地震などでも、山崩れが甚大な被害を引き起こしている。

 国や関係機関は地震と土砂崩れの関連を解明し、防災・減災につなげねばならない。

 地質や地形の調査も加速させ、住民に対する情報の発信、危険性の周知を徹底する必要がある。

 厚真町の西側には倶多楽や恵庭岳、樽前山といった火山が存在する。約4万~5万年前以降の噴火で、風にあおられた火山灰が町全体を覆い尽くしたようだ。

 火山灰は崩れて滑りやすい。地震に限らず、大雨の影響などでも土砂崩れが発生する。注意深い監視が欠かせない。

 広島県で多数の犠牲者を出した土砂災害などを受けて、国は対策の強化に乗り出した。

 崩落の恐れがある場所を「警戒区域」や「特別警戒区域」に指定して危険性の周知を図り、新たな建築を制限するなどしている。

 問題なのは、指定の前提となる地質・地形の基礎調査が必ずしも迅速に進んでいないことだ。

 自治体の予算や人員不足などが理由という。調査が滞れば対策の遅れを招きかねない。国は手厚い支援を講じてもらいたい。

 調査が終わっても、さまざまな事情で指定から漏れてしまう地域が生じる可能性がある。点検にも力を注ぐべきだ。

 警戒区域の指定を巡っては、不動産の価値が下がるとの理由で住民が難色を示すケースも散見される。安全に直結する問題だけに、行政は丁寧に説明し、理解を得る努力を惜しんではならない。

 危険箇所の把握と同時に、防災用フェンスの設置やハザードマップの作製・配布、避難計画の策定なども急がねばなるまい。

 住民自身が防災への意識を高め、身近な工夫を重ねることも大切だろう。危険度の高い1階を避けて2階で就寝するなど、自衛策を心がけたい。

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