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避難者受け入れ改善 札幌 電力復旧、時間差に不満も

 胆振東部地震による大規模停電で、避難してきた市民や観光客を受け入れる態勢が地震発生2日目の7日、大きく改善してきた。一方、電力復旧では、周囲の停電が解消されたのに、なかなか通電しないエリアが残るなど、場所による復旧の「格差」に市民の不満が募った。

■ぐったり

 「宿泊施設が見つからず、未明まで歩き続けて足が棒になった」。出張で札幌を訪れた福岡市の会社員鍋山瑛里奈さん(25)は、地震が発生した6日の夜、泊まる予定のホテルが停電して泊まれなくなり「避難所などの情報がなく、途方に暮れた」と言う。

 札幌市中央区で宿泊施設を探して歩き続け電気のついたホテルを見つけて、頼み込んで泊めてもらった。「エントランスのいすに座って日の出を待った。睡眠時間は3時間ほど」。エントランスの近くの床石にバスタオルを敷き、20人ほどが横になっていた。7日朝、「早く帰りたいですね」と、ぐったりした表情でタクシーで新千歳空港に急いだ。

 避難してきた人を受け入れる態勢は7日になり、大きく改善した。厚別区の主婦水尾あずささん(38)が3歳と6歳の娘と一緒に身を寄せる札幌コンベンションセンター(白石区)には7日、ペットボトル飲料(500ミリ)1200本、大福と、どら焼き計4800個が届き、企業から水やピザの差し入れもあった。水尾さんは「子供が怖がり、停電の間は家に帰れない。昨日は買い物に行ったが、差し入れはやっぱりありがたい。甘い物もうれしい」と感激した様子。

 市立資生館小(中央区)に避難した大阪市の大学院生田中雄也さん(23)は「昨夜、食べたアルファ米は味気なかったが、今日は自衛隊から届けられたおにぎりに、人の温かさを感じた」と笑顔を見せた。

■半日違い

 「道路の向かいは7日朝に電気がついた。この一角だけ停電しているのはなぜ」。札幌市中央区の9階建てサービス付き高齢者住宅「アーバンサークル」(南2西1)の職員登尾文子さん(62)は嘆いた。32室に高齢者が入居し、足の悪い人もいる。「エレベーターが止まり、水や食事を階段で運んだ。体力の限界」

 同じ中央区で鶏肉料理を提供する飲食店「三ツ星」(南3西1)の藤正道店長(33)は「自宅には6日夜から電気が戻ったのに、店の冷蔵した鶏肉や、封を開けていた日本酒は品質が落ちた。損失は50万円以上」と不満をもらした。この一帯が復旧したのは7日午後6時すぎだった。

 東区の住宅街でも復旧は「まだら模様」。北23では東3と東4を仕切る市道で対応が違った。東3は7日未明に復旧したが、東4は夕方になっても停電したままま。東4の主婦小林永子さん(67)は「冷蔵庫の電源が止まり、豆腐や作り置きしたシチューは捨てた。道路を隔てた家は電気が付いているのになぜ」と困惑した。

 東3の障害者通所施設「地域自立生活応援センター 共生舎」は7日朝、職員が出勤すると電気がついた。施設責任者の藤本一貴さん(40)は「道路一本でこんなに状況が違うなんて」と話す。

 北海道電力によると、同じ地域でも、病院や官公庁など電力復旧を優先させる必要がある施設が配電線上にあるかどうかで、復旧時間が異なる場合があるという。

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