PR
PR

続く不安、疲労の色 胆振東部地震 入浴、洗濯できず 買い物場所探しも

 北海道胆振東部地震の発生から1日が経過した7日、小樽市内では午後4時現在も多くの地域で停電が続いている。入浴や洗濯ができなかったり、携帯電話の充電や買い物の場所を探し求める市民らが続出。避難所で一夜を明かした高齢者や観光客は、疲れた表情を見せる。一方で、羊蹄山麓周辺や岩内町周辺の岩宇地域は通電し、日常市民生活を取り戻しつつある。

 携帯電話の充電ができる小樽市役所では、7カ月の乳児を抱える市内富岡の二階堂美香さん(35)が「電気が使えず、お風呂のお湯が沸かせない。昨晩はガスコンロでお湯を沸かして、子供を沐浴(もくよく)させた」と苦労を話した。「洗濯ができないことも困っている。昨日は子どもが服を汚してしまい、水で手洗いした。離乳食を作る時に電子レンジが使えればいいなと思う」と話す。

 市内緑の保育士で、4歳男児の母(32)は「自宅は電磁誘導加熱(IH)なので、煮炊きができない。市内の実家で、土鍋でご飯を炊いてもらい、沸かしたお湯に水を混ぜて体を洗った。ミルクを飲む赤ちゃんがいる家庭は、大変な思いをしていると思う」と心配する。

 日用品や食料品を店先で販売している長崎屋小樽店(稲穂2)に来店した市内緑の主婦平田美奈子さん(50)は「スーパーも品物が少なくなってきているので、これ以上停電が続くと心配」と話す。

 小樽海保が小樽港第2号埠頭(ふとう)で行っている携帯電話の無料充電を利用した市内の公務員男性(47)は「情報が入ってこなくて不安だったので、充電ができてよかった」と安堵(あんど)していた。

■訪日客も避難

 市災害対策本部によると、市は6日午後6時に潮見台小や手宮中央小など7カ所に避難所を開設。1人で過ごすのが不安な高齢者を中心に市民計91人が一夜を明かした。小樽に足止めされている観光客向けにウイングベイ小樽にも4階の空き店舗約8千平方メートルを活用した避難所を設置。7日午前6時までに外国人約60人を含む約200人が避難した。

 市内桜に住む娘や孫らと潮見台小に避難し、一夜を明かした市内高島の無職女性(62)は「夜は少し寒かったけど、安心して眠れた」と話す。築約50年の木造2階建て住宅に暮らす。「また大きい地震が起きたら、家が崩れると思って避難した」と明かす。

 母と2人で潮見台小に避難してきた市内潮見台の会社員遠藤諭子さん(46)は「服などの洗濯ができなくて困っている。少しずつ手洗いでやっているが、早く復旧してほしい」と願う。

 友人と2人で台湾から旅行に来たチュウ・ヨウウェンさん(40)は、自家発電が稼働し、空調の効いているウイングベイに避難。「市内のホテルが停電で泊まれず困っていた。親切にしてくれてありがたい。明日は函館を観光する予定だったが、札幌に泊まります」と話した。友人と4人で香港から来たジャスミン・マン・キ・ウォンさんは「毛布や電気もあり携帯電話が使えてよかった。よく眠れた」と感謝していた。

 兵庫県加古川市の大学4年岡本淑貴さん(22)は「こんなに停電が長引くと思っていなかった」と驚く。京都府京田辺市から友人4人と訪れた大学4年生宮嶋瞭さん(21)は「3時間くらいしか寝られませんでした。疲労がたまってきているので早く帰ってゆっくりしたい」と疲れた表情で話した。

■GSに長い列

 通電した地域の住民は日常生活を送り始めている。京極、喜茂別、ニセコの3町では計27人が6日、公民館などの公共施設に自主避難し不安な一夜を過ごしたが、羊蹄山麓の7町村は7日未明までにほぼ全域で停電から回復。岩宇地域も通電し、住民生活はほぼ復旧している。震度4を観測した倶知安町市街地のスーパーやホームセンター、ガソリンスタンドは本格的に営業を再開した。

 国道5号沿いのガソリンスタンド「JAようてい倶知安セルフ」には午前6時の開店と同時に数十台の車が列を作った。家族旅行中という埼玉県の会社員江尻弘太さん(34)は「昨日からガソリン切れで移動できなかったので助かりました」と疲れた様子で話した。

 在庫切れで営業できないガソリンスタンドが町内外で出ているほか、スーパーは停電で大半の生鮮食品を廃棄し、商品の少ない状態が続いている。ラッキー倶知安店の駐車場では町民有志による豚汁の炊き出しが行われ、買い物客が体を温めた。

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る