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胆振東部地震 北電の責任 極めて重い

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 北海道胆振東部地震は一時、道内全域が停電となる「ブラックアウト」を引き起こした。

 震源近くにある北海道電力苫東厚真火力発電所が運転を停止し、稼働中だった他の発電所も連鎖的に止まったのが原因だ。

 交通機関や病院をはじめ、暮らしに不可欠な都市機能が突然まひし、道民を不安に陥れた。

 大地震への十分な対策を取らなかった北電の責任は極めて重い。停電が続く地域の復旧を急ぐと同時に、この事態を招いた原因の究明と対策の徹底を求めたい。

 電力供給では、発電量と消費量を一致させないと、発電機が壊れる恐れがある。このため、需給バランスが崩れた際に稼働中の発電所を停止させる。

 全面停止を避けるには、電源を分散させ、一つの発電所が止まってもバックアップできる態勢を築いていなければならない。

 ところが、北電の場合、道内の消費電力のほぼ半分を苫東厚真1カ所で供給している。

 不測の事態が生じれば、待機中の発電所ではカバーしきれず、ブラックアウトに直結することは事前に分かっていたはずだ。

 苫東厚真では3基の発電機全てが地震で使えなくなった。北電は「3基とも損壊し、長期間止まることは想定していなかった」と言うが、認識が甘いのではないか。

 東日本大震災によって福島原発事故が発生し、その後も各地で大地震が頻発してきたことを考えれば、「想定外」は言い訳にしか聞こえない。

 電力の安定供給よりも、電源の集約による経営効率を優先したと言われても仕方ないだろう。

 地震発生時、本州の電力会社からの支援機能が働かなかったのも問題だ。北海道―本州間の送電線「北本連系線」を使って電気を流すには、道内側で一定の発電所が稼働している必要があるという。

 これでは今回のような大型電源の停止には対応できない。

 来年には石狩湾新港の天然ガス火発の稼働と北本連系線の増強が予定されている。北電は、電源の分散に加え、北本連系線の技術的な障壁の解消も急いでほしい。

 運転停止中の泊原発は停電の影響で、使用済み核燃料プールを冷却する外部電源を一時喪失。非常用電源が作動して冷却を続けた。

 9時間半後に外部電源が復旧し、大事には至らなかったとはいえ、震源が発電所に近い場合の対応は万全と言えるのか。徹底した検証が不可欠だ。

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