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停電、道内経済に大打撃 工場停止 物流は混乱

 胆振地方中東部を震源とした6日未明の最大震度7の地震は、道内経済に大きな打撃を与えた。大規模停電の影響で、工場は軒並み停止、物流は混乱した。電力復旧には時間を要する見込みで、被害の拡大も見込まれる。

■製造業

 震源地近くに位置するトヨタ自動車北海道(苫小牧)は、目立った被害は確認できなかったが、停電で操業を休止した。「電力が復旧してもライン確認作業が必要で、再開時期は分からない」(総務部)。出光興産北海道製油所(苫小牧)は地震発生当時、操業中だったが、自動停止したためトラブルはなかった。だが、停電でガソリンなどの出荷ができず、非常用電源での生産再開を目指すという。

 新日鉄住金室蘭製鉄所(室蘭)は、構内で操業する三菱製鋼室蘭特殊鋼の工場で地震直後の6日未明に小規模な火災が発生。午前中に鎮火が確認され、けが人はなかったが、操業を停止して設備の点検を行っている。一方、JXTGエネルギー室蘭製造所(同)は、安全を確認し、自家発電を利用して操業した。

 よつ葉乳業(札幌)は道内4カ所の工場のうち、自家発電設備を備えた十勝管内音更町と紋別市の2工場で通常通り操業。釧路市と宗谷管内浜頓別町の2工場は、稼働を停止した。

 カルビー、サッポロビール、マルハニチロなども軒並み操業を停止した。

■物流・小売り

 全日本空輸は新千歳空港から6日輸送する予定だった生鮮品や宅配便など約1トンを空港敷地内の倉庫に保管し、貨物輸送の受け付けを停止した。JR貨物も列車の出発を見送るなどの対応に追われた。

 航空や列車が運休し、本州への貨物輸送は海運のみだが、積み荷が港に届かない状態が続く。ヤマト運輸など運送各社は、道内での集荷や配達を全て停止。佐川急便は、道内での集配に加え、道内向けの全ての荷物の受け付けを停止した。停電でトラックの安全確保ができないためで、シズナイロゴスの近藤弘札幌支店長は「信号復旧までは再開できない」と頭を抱える。

 流通がまひし、商品の届かない小売店には客が殺到。ドラッグストア大手のツルハホールディングス(札幌)は、6日に道内の9割近くの店舗を営業したが「来る予定のトラック便が来ず、今後も心配だ」(広報)という。

 コープさっぽろ二十四軒店では「午前9時に開店予定だったが、100人近く並んでいたので20分前に開けた」(大隅直治店長)という。コンビニ道内最大手セコマでは、苫小牧など胆振東部を中心に50店が営業休止。パートが来られないのが理由だった。

■1次産業

 十勝管内幕別町で乳牛30頭を飼う白木教嗣さん(44)方では停電で搾乳機を使えず、乳がたまった牛の乳房がパンパンに膨らんだ。乳房炎になる恐れが高まり、発電機で簡易式搾乳機を動かし、6日午後3時ごろに搾乳を再開。だが、生乳を冷やすクーラーも止まったため、廃棄せざるを得ず「1日約10万円の損失になる」という。

 道東あさひ農協(本所・根室管内別海町)も乳業メーカーの稼働停止で集荷できず、少なくとも4戸が生乳計12トンを廃棄。農協は「停電が長期化すれば廃棄はもっと増える」と案じる。

 十勝管内の中札内村農協の枝豆加工場も稼働できず、農家からの受け入れを停止した。冷凍室には、収穫が最盛期の枝豆など、合わせて約4500トンを収容。農協は「復旧しなければ被害は甚大」とみて、職員が発電機をかき集めている。

 根室・花咲港ではサンマ棒受け網漁船8隻が、停電で給油などができず、6日朝の出漁を見合わせた。

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