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厚真土砂崩れ「表層崩壊」の可能性 台風で表土不安定に

 今回の地震で最大震度7を記録した胆振管内厚真町では大規模な土砂崩れが多数発生した。周辺の地表は火山灰が固まった地層で水を吸いやすく、専門家は「台風21号による雨で表土が重みを増し、地震を引き金に一気に斜面を滑り落ちる『表層崩壊』が起きた可能性が高い」とみる。

 道災害対策本部によると、厚真町吉野で起きた土砂崩れは約2・7キロにわたって複数箇所で斜面が崩壊した。ヘリコプターで救助された60代男性は「突き上げるような揺れの後、すぐに裏山の雑木や土砂が流れてきた」と話した。室蘭工大大学院の木幡行宏教授(地盤工学)は「地表から深さ約2メートルまでの浅い表土が崩れたのでは」と指摘する。

 厚真町では台風21号の接近に伴い、地震前日の5日未明に13ミリのまとまった雨が降った。木幡教授は、表土が大量の水を含んで不安定な状態になったところに「地震が起きて地盤のバランスが崩れ、水分が少ない下の地層との境に沿って表土が崩れた」と分析する。

 地震によって斜面が一気に崩れる土砂災害は過去にも大きな被害をもたらしている。2004年10月の新潟県中越地震では山間地を最大震度7の揺れが襲い、山の斜面が崩壊。母子3人が車ごと巻き込まれ、旧山古志村(現長岡市)では大量の土砂が川をせき止める「土砂ダム」で集落が水没した。2度の震度7を観測した16年4月の熊本地震でも南阿蘇村の斜面が大規模に崩れ、大橋が崩落した。

 木幡教授は「厚真町を含む道央地域は岩盤の上に火山灰が積もっており、表層がもろい。今後も大雨や地震で大規模崩壊が起きる可能性はある」と話す。(吉田隆久)

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