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眠り破る烈震 土砂の波、民家のむ 道内史上最大7

 突き上げるような大きな衝撃の後、強い揺れが続いた。6日未明の道内を襲った、道内観測史上最大の震度7の大地震。胆振管内を中心に、大規模な土砂崩れで多くの家屋が押し流され、停電による暗闇は大勢の不安をあおった。「こんなことが起こるとは」「経験したことがない」。人々はおびえ、戸惑った。

 緑色の畑や山の間を走る真っすぐな道。本社ヘリで上空から見ると、胆振管内厚真町吉野地区に入った途端、その道路は茶色の土砂で完全にふさがれていた。

 その長さはおよそ数キロ。脇の山肌は大きくえぐられ、木々は30メートルほどずり落ちている。点在する民家は、多くが丸ごと押し流されていた。骨組みだけが残った屋根などには、木々や土砂が覆いかぶさっていた。

 土砂崩れ現場では、道警ヘリが住民数人を引き上げ、救出するのが見えた。土砂をかろうじて免れた自宅前の道路から手を振って助けを求める住民もいた。同じ道路沿いには、規模はさまざまだが、いくつもの土砂崩れの跡があった。

 「どかんと突き上げるような音で目が覚め、すぐがたがたと強く揺れた」。自宅が土砂に巻き込まれて約4時間後、自衛隊のヘリで救助され町内の避難所に身を寄せた、会社員中田匠さん(32)は声を震わせた。

 両親と兄、姉の5人暮らし。地震発生時、両親は1階、きょうだい3人はそれぞれ2階の別の部屋で寝ていた。自宅のすぐ裏が山で、土砂崩れで自宅が10メートルほど押し流された。1階はつぶれ、2階の窓から携帯のライトを頼りに外に出た。きょうだいは無事だったが、「両親はたぶん土砂の中」と中田さん。「何も考えられる状態じゃないが、ただ両親が心配だ」と言った。

 同じく数百メートルの土砂崩れが発生したとみられる同町朝日地区。江別市の道職員畑島久雄さん(54)は「地震発生直後に両親の携帯に電話したがつながらず、急いで駆けつけたが…」。ぼうぜんと立ち尽くした。

 土砂にのまれた木造2階建ての住宅には畑島さんの父武司さん(86)と母富子さん(81)が暮らしていた。6日正午現在も連絡が取れず、警察や消防が捜索を続ける。畑島さんは「山からは離れていたのに、まさかこんなことになるとは」。

 吉野、朝日両地区の土砂崩れ現場では、道警や消防、自衛隊らが救助作業に当たり、重機を使いながら土砂の撤去を進めている。

 震度6強に襲われた胆振管内安平町では、階段から落ちるなどして3人がけがをし、町職員1人の安否が確認できていない。家屋など建物倒壊の件数は確認できておらず、町内の墓地では、墓が多数倒壊しているとの情報も入っているという。

 同町追分の町商工会職員、大森悠介さん(22)は「自宅では、タンスも食器棚も、収納していたものが全て出てきた。台風で停電していたのに、さらに地震が起き、大変だ」。同町早来で1人暮らしする山口珱子さん(71)は「揺れにびっくりして飛び上がった。水が出ず薬も飲めない。(停電で)真っ暗。感覚だけで外に出た」とこぼした。

 室蘭市では最初の揺れが起こった後の6日未明、三菱製鋼室蘭特殊鋼の工場内では火災も発生。周辺住民は慣れない停電と続く揺れの中で、不安を募らせた。

 同市輪西町1の無職小松哲也さん(78)は「ズドーンと揺れが来て、神棚が落ち、仏壇が倒れた。体験した事がない揺れだった」。生後7カ月の赤ちゃんと妻を連れて避難した、同市の会社員(40)は「どんと突き上げるような感じで揺れ、すぐ停電した。暗くて人の気配が少ない自宅では子供が泣くので、ミルクとおむつと着替えを持って避難した」と声を震わせた。

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