PR
PR

台風猛威、西胆振も リンゴ、デントコーン…農業被害多数 JR運休、臨時休校相次ぐ

 5日明け方に道内付近を通過した台風21号は、農業被害や住宅の損壊など、西胆振に深い爪痕を残した。夜明け後も混乱は続き、JR北海道では特急、普通列車の各線で運休が続出。小中高校の登校時間繰り下げや臨時休校も相次いだ。住民らは屋根の補修や落ちた果実の回収などの復旧作業に追われた。

 JR北海道によると5日午後8時現在、札幌と函館を結ぶ特急スーパー北斗や札幌と東室蘭・室蘭を結ぶ特急すずらん、東室蘭と室蘭を結ぶ普通列車の計61本が運休。午前8時20分ごろ、東室蘭駅で発車時刻の案内表示を見ていた神奈川県藤沢市在住の本岡康彦さん(66)は「夫婦で旅行に来ていた。登別に行く予定だったが、運休とは知らなかった」と途方に暮れた。

 胆振教育局によると、登校時間を繰り下げたのは、室蘭・八丁平小、伊達西小、伊達・長和小の3校。臨時休校は伊達・光陵中、道大谷室蘭高、海星学院高、室蘭栄高、室蘭東翔高、室蘭工業高、登別明日中等教育学校、伊達緑丘高、壮瞥高、虻田高の10校に上った。

 伊達市では5日午前0時55分に最大瞬間風速35・1メートルを記録。西胆振行政事務組合伊達消防署によると、台風被害による出動は伊達市と洞爺湖町、壮瞥町、豊浦町の4市町で計20件に上った。うち12件が伊達市内で、弄月(ろうげつ)町の集合住宅では、強風でトタン屋根が飛ばされ、駐車場に止めていた軽乗用車のフロントガラスを直撃。持ち主の男性(40)は「8月に購入したばかりなのにひびが入った。がっかりだ」とうなだれた。

 農業被害も相次いだ。とうや湖農協と伊達市農協によると、リンゴの落果やビニールハウスの損壊などが続出。伊達市清住町の酪農家、松下敬夫さん(60)の畑10ヘクタールでも、大半のデントコーンが倒伏。「収量は5、6割に落ち込むのではないか」と肩を落とした。

 5日午前1時25分に最大瞬間風速33・9メートルを記録した室蘭市では、最大2千戸以上が停電。国道37号(白鳥大橋)は4日午後8時から5日午前6時まで、測量山に向かう市道も5日午前6時半から正午ごろまで通行止めになった。

 市内寿町付近の国道36号では、風や波により砂浜から大量の土砂が道路に流入。室蘭開建から委託された業者がブルドーザーなどで撤去に追われた。作業員の加藤由広さん(70)は「量がかなり多い。時間がかかりそう」と汗をぬぐった。

 5日午前2時50分に最大瞬間風速20メートルを記録した登別市では、強風で住宅や倉庫の屋根が飛ばされるなどの被害が15件に上った。JR幌別駅では午前1時40分ごろ、東口の駐輪場のトタン屋根が飛ばされ、駅構内に落下。付近住民からの通報で駆けつけた市消防署員が撤去した。

 登別市消防本部の泉千代喜消防長は「満潮時間だと、波が堤防を越える被害も想定された。人的被害がなくて良かった」と話していた。(久保耕平、田中雅久、綱島康之)

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る