PR
PR

巨木、電柱根こそぎ 台風21号 道内「家揺れた」「すさまじい音」

 5日明け方に北海道に最接近した強い台風21号は、猛烈な風や雨で道内に大きな被害をもたらした。各地で倒木や屋根の落下などが相次ぎ、果樹園では収穫目前のリンゴなどが多数落ちた。同日正午現在も停電している地域や交通網の乱れがあり、影響は続いている。

 5日午前2時24分に最大瞬間風速42・4メートルを計測した後志管内倶知安町では、倒木被害が約20件発生。道道と町道が複数通行止めとなり、同町旭の道道倶知安ニセコ線は高さ20メートルほどの木が10本ほど倒れた。倶知安消防署には「民家の屋根がはがれた」などの通報が13件寄せられた。

 市街地では民家の木造倉庫が土台から倒れ、歩道を一部ふさぐなどの被害も。近くに住む大河原哲朗さん(71)は「家が揺れるのをはっきりと感じた。経験したことのない風だった」と驚いた様子で話した。

 伊達市弄月(ろうげつ)町の集合住宅では5日午前1時ごろ、強風の影響でトタン屋根が剥がれて落下。集合住宅の駐車場の軽乗用車に覆いかぶさるようにぶつかり、フロントガラスが割れる被害があった。けが人はなかった。軽乗用車の持ち主の男性(40)は「家にいた妻が『バリバリ』と屋根が剥がれるような音を聞き、外に出ると、トタン屋根が車に直撃していた。こんな被害は初めて」と肩を落とした。

 胆振管内壮瞥町滝之町の岩倉観光果樹園では、色づく前のリンゴが1割ほど落ちた。同農園の岩倉正訓さん(42)は「自然相手のことで仕方がない」としながらも、「皮が剥がれて半分以上廃棄するしかない。収穫前なので、ジュースなどの加工品にもできない」。

 胆振管内白老町虎杖浜の水産加工会社「マルヤマシメ本間水産」では5日未明、水産加工場の金属製の屋根(縦約5メートル、横約10メートル)が強風ではがれ、道路に落下。同社の乗木光英専務は「けが人が出なくてよかった。ただ停電で少なくとも2、3日は営業はできず、損害も大きい」と話した。

 札幌市でも5日朝にかけて最大瞬間風速32・8メートルを記録。同市豊平区美園5の公園では、高さ約20メートルのポプラが根こそぎ倒れた。倒れた際に電線も巻き込み、周囲にあった電柱が2本、折れたり根元から曲がったりした。倒れた木は、向かいの美園保育園の敷地まで侵入。けが人はなかった。

 近くに住む地主英則さん(65)は「午前2時の少し前、『ドーン』というすさまじい音を聞いた」。同時に自宅が停電したという。「雷が落ちたのかと思った。ここまで大きな木が倒れるとは」と声を震わせた。

 同市中央区の北海道神宮では、参道近くにある高さ約20メートル、直径約2メートルのミズナラ大木など7本ほどが倒れ、遊歩道をふさいだ。施設管理を担当する網谷博行さん(60)は「倒木の撤去を急ぎたいが、あすまでは掛かるだろう」と話す。

残り:211文字/全文:1367文字
全文はログインまたはお申し込みするとお読みいただけます。
どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る