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熱中症で死亡か 病院の対応、徹底究明を

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 患者の命を預かる責任の重みを十分に自覚していたのだろうか。

 岐阜市の病院で、高齢の入院患者5人が相次いで死亡した。酷暑が続いていたにもかかわらず、エアコンが故障した病室で療養していたという。

 病院側は死亡との因果関係を否定するが、警察は熱中症の疑いもあるとみて、当時の状況や管理体制を調べている。

 今年の夏の暑さは「災害並み」と言われる本州で、エアコンが効かない病室は極めて危険だ。

 体温の調節機能が衰えている高齢者については、なおさら手厚いケアが不可欠である。

 警察や関係機関は捜査や調査を尽くして、原因や背景の究明に努めてもらいたい。

 病院のエアコンは20日に壊れたという。修理に1カ月かかると言われて放置し、26日から28日にかけて患者が死亡した。

 岐阜市では20日以降、最高気温が30度以上の真夏日が続き、「病室の暑さは外とほとんど変わらなかった」と話す見舞客もいる。

 エアコンの壊れた病室には扇風機を置いていたというが、涼しい病室への速やかな移動や、他の医療機関への一時的な転院などが考慮されてしかるべきだった。

 高齢者は暑さを感じにくく、熱中症になりやすい。全国で4月下旬から8月下旬までに熱中症で救急搬送された約9万人のうち、半数近くが65歳以上であることを忘れてはならない。

 事実関係の解明は始まったばかりなのに、院長は「病院の管理体制に問題はなかった」と主張している。加えて「暖かい部屋がいい人もいる」といった発言からは、緊張感がうかがえない。

 5人の患者が立て続けに死亡した重大性や、家族の無念をどう受け止めているのだろうか。

 異常な事態にもかかわらず、警察や自治体に届けなかった対応も理解に苦しむ。

 保健所は病院に対して、エアコン代替機の設置や患者に転院を促すこと、新患の受け入れの自重などを要請した。

 こうした機関への通報や連絡が早めになされ、外部の人間が関与して適切な指導が行われていれば、これほどの死者を出さずに済んだ可能性もある。

 エアコンは故障に限らず、不意の停電でも止まる。室内の温度管理に気をつけている医療機関や老人ホームであっても、危機管理対策を万全にしておきたい。本州より冷涼な道内も油断は禁物だ。

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