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道内にもヒアリ 水際での監視を全力で

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 特定外来生物で強い毒を持つヒアリが道内で初めて、苫小牧港の国際コンテナターミナルで確認された。昨年6月の神戸港を皮切りに、国内では36件目である。

 今回、環境省の調査で働きアリ2匹の死骸が見つかった。人的被害がなかったのは幸いだ。

 苫小牧港は、中国などヒアリが生息する地域からの貨物を扱っている。今夏は、成田空港に到着した米国発の空輸貨物でも見つかっており、油断できない。

 外来生物は一度定着を許せば根絶は難しい。ヒアリはまだ定着していないとみられる。

 行政はもちろん、港湾・空港を利用する業者も一体となって、水際での監視と駆除に全力を挙げなければならない。

 南米原産のヒアリは、攻撃性が高く、刺されるとアレルギー性ショックを起こすことがある。

 生態系破壊や農業被害のほか、電子機器の中に巣を作って停電や火災も引き起こす。生息地が被る損害は広範で深刻だ。

 環境省は、中国、台湾などと定期便がある68港湾(道内6)を監視している。

 苫小牧港では引き続き、ターミナルの周囲2キロに範囲を広げてヒアリを探すという。徹底的な調査が欠かせない。

 ヒアリは寒冷な道内では越冬できないとされている。

 一方、春から秋にかけては繁殖可能との指摘もある。

 夏場の観光や1次産業への悪影響を避けなければならず、水際で食い止めることの重要性は、北海道も変わらない。

 気になるのは、今回の侵入経路がはっきりしないことだ。

 ターミナルには国際8航路、国内2航路のコンテナが常時1万個以上集積し、出入りも激しい。

 このため、ヒアリをもたらしたコンテナを正確に特定するのは容易ではあるまい。

 事情は他の港湾や空港も同様だろう。荷揚げやコンテナ開封時の確認と駆除を徹底するのはもちろん、ヒアリの隠れ場所をなくすため、施設のきめ細かな点検や補修が求められる。

 同時に、既にヒアリが定着している国や地域との協力態勢づくりを急いでもらいたい。

 出荷の際に貨物へのヒアリ混入を防いだり、コンテナに殺虫餌を置くなど、生息地を広げないための対策が不可欠だ。

 生息地が爆発的に広がっているという中国をはじめ、各国への働きかけを強める必要がある。

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