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オスプレイ訓練 住民不安は置き去りか

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 陸上自衛隊は、米海兵隊の輸送機オスプレイも使用して、9月に道内で行われる日米共同訓練の概要を発表した。

 今回は、前回の北海道大演習場(恵庭市など)に、上富良野演習場(上川管内上富良野町など)と矢臼別演習場(根室管内別海町など)を加え、3演習場を広域で飛行する訓練を行う。

 オスプレイは昨年8月、オーストラリア沖で3人が死亡する墜落事故を起こし、その後も国内で緊急着陸などのトラブルが続く。機体の安全性に対する疑問は払拭(ふっしょく)されていない。

 道民の不安を無視して飛行区域を拡大し、訓練を既成事実化することは認められない。

 訓練の目的として日米両政府が説明してきた「沖縄の負担軽減」にも疑問符がつく。

 オスプレイの訓練も基地も、国外で住民被害の恐れのない場所に移すべきだ。

 道内でのオスプレイ訓練は昨年8月に初めて行われ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に所属する機体のうち4機が飛来した。

 今年は訓練場所が一気に3カ所に広がり、給油や補給を行う拠点も、昨年の米軍三沢基地(青森県三沢市)から陸自帯広駐屯地(帯広市)に移される。

 広大な演習場があり「訓練適地」とされる道内で、訓練の恒常化を図る狙いがあるのだろう。

 米海兵隊が運用する機体は、重大事故の発生率が昨年9月末時点で、普天間飛行場に配備される前の約1・7倍に上昇している。

 演習場間を飛行するルートには市街地の上空が含まれることが想定され、事故が起きれば大惨事につながりかねない。

 昨年の道内訓練の期間中に行った宜野湾市の調査では、普天間飛行場の米軍機の発着回数や周辺の騒音などに変化はなかった。

 沖縄の負担軽減を口実に、オスプレイの活動範囲を広げるようなやり方は受け入れられない。

 オスプレイは、米空軍の5機が10月1日に横田基地(東京都福生市など)に配備されることが決まった。沖縄以外の在日米軍基地への配備は初めてで、日常的に首都圏の上空を飛ぶことになる。

 道内訓練も含め、いつどこを飛行するかといった詳細は明らかにされない。米軍の意のままに、危険な機体が日本国内を飛び回ることへの心配は尽きない。

 政府は、住民の懸念を米側に伝えたのか。現状は、米軍の言いなりとみられても仕方あるまい。

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