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不正升

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コメや酒などを量る升は奈良時代に制度化された。当時の1升は現在の4合ほどだったが、時代とともに升は大きくなる。年貢米を多く取り立てたい権力者がごまかすためだ▼さまざまな大きさの不正升が横行したため、平安時代の後三条天皇や豊臣秀吉は「升の統一」を行った。だが、全国一律になるのは、明治まで待たねばならなかった▼年貢米の徴収には大きめの升を、逆に権力者が庶民に支払う際は小さめの升をこっそり使ったりしていたらしい。中央省庁による障害者雇用の水増しも、まさかこっそりやれば気付かれないと考えたわけではあるまい▼障害者雇用促進法は国や自治体、企業に一定割合以上の障害者雇用を義務づける。ところが、障害者手帳を持たない軽度の職員を算入するなど、水増しが常態化していたという▼各省庁の雇用率に不正があったなどとは、誰も思わなかったはずだ。国は雇用率未達成の企業に「罰金」を課してきた。それだけに指導する立場の国のごまかしには、障害者に限らず国民誰もが到底納得できまい。「本気で雇う気があるのか」という疑問も当然だ。公正であるべき升の大きさを、国がお手盛りでゆがめてどうする▼拘束時間の長さや、国会対応など突発的な仕事が多い特性が理由とされている。けれど、それで理解を得られると本気で考えているのか。「働き方改革」という言葉がむなしく響く。2018・8・21

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