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<新刊と文庫>「話しベタですが…」など

<単行本>


◆話しベタですが… 高倉健、村上春樹ほか著

 森鴎外、高倉健、最果タヒらが、人と話すことの苦労について書いた32編のエッセーを集めた。札幌市出身の歌人穂村弘は、書店員に本のありかを尋ねることにさえ躊躇(ちゅうちょ)する自分を考察し、十勝管内中札内村出身の漫画家中川学は、慣れないバーでの大人の会話への憧れを漫画で描く。話し下手で苦労している人は多いのだと、楽しみながら勇気づけられる。(河出書房新社 1728円)


◆戦慄の記録 インパール NHKスペシャル取材班著
 ドキュメンタリー番組の書籍化。参加した9万人中、3万人もの死者を出した太平洋戦争で最も無謀とされる作戦の輪郭を、生き残った兵や現地ミャンマー・インド国境住民への取材で描き出す。現場軽視、根拠なき精神論、責任の所在を曖昧にするなど作戦失敗の背景は、そのまま現代日本にもつながる病理だ。(岩波書店 2160円)

◆マリア・シャラポワ自伝 マリア・シャラポワ著
 1993年、英語を話せない6歳の娘と28歳の父親は、祖国ロシアを後に、たった700ドルの全財産を手に米国に渡った。目的は2人で世界一のテニス選手の称号を得るため。ドーピング疑惑に揺れる女子テニス界の妖精シャラポワが語る半生とは。可憐(かれん)な容姿とは裏腹の激しい気性に驚かされる痛快な自伝だ。金井真弓訳。(文芸春秋 2268円)

◆日中文化社会比較論 河原昌一郎著
 日本大使館参事官として北京に3年間滞在した著者が、日中の根本的な差異は何かを具体的に解説。例えば、中国人は家族を大切にする一方で強い個人性を持ち、家族間でもお金のやりとりはビジネスライクに行う。社会・文化の異質性を理解し、ただ曖昧に「違う」で終わらせないことが重要だと主張。改めて日中関係について考えさせられる。(彩流社 2592円)

<文庫・新書>


◆痛みの音階、癒しの色あい 佐相憲一著
 詩人の小説デビュー作。FMラジオの番組を介し、演劇好きの女子高生、孤独にさいなまれてきた詩人ら、生きる場所も年齢も異なる人々の人生が断片的につながる。詩と歌が織り交ぜられ、鋭くも軟らかい表現に胸を打たれる。(コールサック小説文庫 972円)

◆熟年期障害 熊本悦明著
 うつ症状や性機能の低下など、男性の更年期障害や、その後の熟年期障害について札幌医大名誉教授が解説。頭痛、耳鳴り、動悸(どうき)、活力の衰退などは男性ホルモンの低下が主な原因と説明。90歳を間近にして現役で活躍する男性医学の権威が、熟年期障害の対処法を説く。(祥伝社新書 864円)

◆日本軍ゲリラ 台湾高砂義勇隊 菊池一隆著
 日本植民下、太平洋戦争時の台湾。台湾原住民(先住民)による「高砂義勇隊」が南洋の戦場に送り出された。生存者のインタビューを交えながら、「日本軍ゲリラ」として過酷な状況で戦った人々の体験やその後をつづる。(平凡社新書 842円)

◆未来を読む 大野和基編
 国際ジャーナリストが、世界の知識人8人に未来社会を尋ねた対話集。進化生物学者のジャレド・ダイアモンドは、資本主義の格差解決が繁栄の条件と指摘。歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリは、人工知能(AI)の進歩で社会に無用な階級が生まれると説く。(PHP新書 950円)

◆京都三無常殺人事件 花房観音著

 死者を葬る場所だった京都の三無常地「蓮台野」「化野」「鳥辺野」を舞台にした文庫オリジナルの連作ミステリー小説。それぞれの地で女性ばかりを狙った殺人事件が発生。京都府警の刑事田村は、街の歴史に詳しい土産物屋の未亡人女将(おかみ)の協力を得て真相を追う。(光文社文庫 605円)

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