PR
PR

花咲線存続 観光に活路 写真家招き作品発信/絶景散策ツアー

 【根室】JR北海道が単独では維持困難とする花咲線(釧路―根室間、135キロ)が、観光に活路を見いだそうとしている。終着駅のある根室市は、写真家らを招いて沿線の風景を撮影してもらい、今秋にも特設サイトなどで活用する計画。愛好家団体は沿線の散策ツアーを続けている。JRは、新たな利用客の掘り起こしに懸命な地元を支援している。

 「最果ての雰囲気がある」。根室駅の隣の東根室駅を7日、鉄道写真を手がける札幌市の写真家大滝恭昌(やすよし)さん(54)と映像制作会社のスタッフら4人が訪れた。東根室駅は根室駅より東に位置し、国内で最も東の鉄道駅として知られる。大滝さんは「日本最東端」と記された看板や周辺の景色にカメラを向けた。

 根室市は本年度、花咲線の存続と魅力発信を目的に、インターネットで寄付を集めるクラウドファンディング(CF)型ふるさと納税を実施。6月1日に始めたところ、開始から46日目の7月16日に目標額の3331万円に届いた。

 市は、大滝さんのほか稚内市出身で国際的に活躍する岡田敦さん(39)ら写真家4人に沿線の写真撮影を委託した。費用は寄付金でまかなう。花咲線沿線には、別寒辺牛(べかんべうし)湿原(釧路管内厚岸町)や落石(おちいし)海岸(根室市)などの美しい景色が広がる。落石駅などで撮影を続ける岡田さんは「花咲線からは車と違ってゆっくりと景色を楽しめる。落石周辺には、まだ広く知られていない絶景もあり、今回の取り組みを通じてアピールしたい」と話した。

 市は、写真家たちが撮影した写真を特設サイトなどで秋ごろから発信する予定だ。市の金田真司総合政策部長は「新たな利用客の掘り起こしのため花咲線をさらに広くPRしたい」と力を込める。

 根室市内などの花咲線ファンらでつくる「夢空間☆花咲線の会」が5日に行った散策ツアーには道内外から28人が参加した。花咲線の魅力を広めようと昨年初開催し、2回目。参加者は根室駅から花咲線で落石駅まで移動し、線路が通る丘陵のすぐ下に砂浜が広がる落石海岸の独特な景観を楽しみ、「こんな絶景があるなんて知らなかった」と声を上げた。

 会の代表の鈴木一雄さん(45)は「沿線人口が減る中、これからは生活路線としてだけではなく、観光路線としての役割も担ってほしい」と話し、今後も同様のツアーを続ける考えだ。

 JR北海道は、花咲線の普通列車の一部を観光列車として運行する「いつもの列車で観光気分」を6月に始めた。景勝地で低速運行し、スマートフォンでの音声ガイドも導入するなどした初の取り組みで、「普段はすぐ通過してしまう美しい景色をじっくり楽しめる」と乗客の評判も上々。秋にはアニメ「ルパン三世」に次ぐ第2弾のラッピング列車も導入する予定だ。

残り:125文字/全文:1260文字
全文はログインまたはお申し込みするとお読みいただけます。
どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る